SSブログ

祝! 大橋健一MWは日本と世界の酒類界をつなぐBig Bridge! [ワイン]


日本の酒類業界から、ワイン界最高峰の称号マスター・オブ・ワイン(MW)の認定者が誕生しました。栃木県にある酒類専門店『山仁酒店』の大橋健一社長です。おめでとうございます!
9年かけて、その難関を突破した大橋MWの祝賀会が、1月28日、ホテルニューオータニで開催されました。祝賀会の概要とマスター・ワインについては2月4日付のワインのこころで触れておりますので、プロローグとしてお目通しいただけましたら幸いです。


共同記者会見で

祝賀会の前に行われた囲み取材で、大橋MWは「日本にMWがいなかったため、合格(9月7日)してから仕事の依頼が劇的に増えています。私の今後のビジョンとしては、より良いマーケットを日本に作ろうと思っていながら後手に回っていた海外の生産者や、日本の酒類(ワイン、日本酒、梅酒等)の輸出で攻めあぐねていた造り手を支援して世界で成功をおさめられるように、その一助になれたらと思っています」と語りました。

〝たかがワイン〟の言葉に救われて
「試験勉強で煮詰まった時は」との質問に、「自分の力ではどうしても動かせないことがあり、解決策が正直見出せなかったことも苦しみでした。救いは人の存在で、自分を支援してくれる人がいるというだけで確実に救われました」と述べ、続けて、「マスターワイン協会に加入申請をすると、必ず家庭教師(MW所持者)がつきます。私の場合は、日本(現在は豪州シドニー在)に住んでいたネッド グッドウィンMWで、彼から「本当にMWになりたければ絶対に合格させてやる。私がマシーンになる」と言ってもらった言葉は大きかったです。また、ファイナルの論文で家庭教師役のキャシー ヴァンジルMW(南ア)は私のために毎日多くの時間を割いてくれました」と述懐しました。


ファイナルステージでは机から離れない日が10か月続いたという大橋MW。座右の銘は〝たかがワイン〟。同じMWで2010年の世界最優秀ソムリエのジェラール・バッセ(英国)が優勝のインタビュー記事で語っていた言葉とのことでした。
それは・・・同コンクールで決勝まで進めなかったブルガリア代表との会話で、彼から「バッセさん、頑張って!」と言われ、バッセMWは「実力が発揮できないかも」と心情を暴露。その時、ブルガリア代表から「たかがワインじゃないか!」と言われたそうです。ジェラール・バッセMWは瞬時に「そうだ! ワインがなくても死にゃしない」と気持ちが吹っ切れ、 その年のコンクールで見事優勝への道をつき進みます。
大橋MWは、うさぎがブランコに乗っているファンシーな絵に〝たかがワイン〟と書いて、落ち込みそうになった時はその絵を見てリラックスしていたそうです。合格までの険しい道のり、そのプレッシャーをはねのけるためのワンシーンが伝わってきました。本当にお疲れ様でした!


認定祝賀会で

来賓代表の中原広国税庁長官は祝辞で、日本でもワイン市場が拡大しており、クール・ジャパンの推進の一環として日本酒、焼酎、日本のウイスキー、ビールなど日本産酒類の輸出振興を今後一段と進めていきたいので、内外のワインと日本酒の両方に精通し、海外に深いネットワークを有している大橋MWには大いにご期待したいと述べました。


中原長官を含む来賓4名と17名の発起人が登壇し、大橋MWを中央にして鏡開き


乾杯の音頭は17名の発起人にも名を連ねている日本ソムリエ協会の岡昌治会長


乾杯はシャルル・エドシック!


記念画像は大橋健一MW(前列中央)を囲んで


MWが関わるワインたち

日本には多くのMWが関わるワインがたくさん輸入されています 認定祝賀会では、ネッド・グッドウィンMWがアンバサダーを務めるシャンパーニュのシャルル・エドシック、大橋MWと親しいサム・ハロップMWのニュージーランドワイン、セダリオン・シャルドネ、マイケル・ブラコヴィッチMWが手掛けるクメウ・リヴァーのヴィレッジ・ピノ・グリなど、17アイテムが供出されました。「これからMWが関わったワインを意識していただき、日本が世界において、ワインや他の酒類で、本当に洗練された国のひとつであると言えるように私も頑張りたい」と大橋MW


唯一のシャンパンとして華を添えていたシャルル・エドシック

会場では力強い家庭教師ネッド グッドウィンや、座右の銘のジェラール・バッセ、サム・ハロップ等、先輩のMWからのお祝いメッセージが映像で紹介されました。

いくつかの節目

「マスターワインになれました。トライアルの時間が長かったのでようやく受験は終わりましたという安堵の気持ちを皆様にお伝えさせていただきます」と大橋MW

大橋MW: 現在24か国340名のMWが世界各国で活躍していますが、今、思うといくつかの節目がありました。マスターワイン協会に加入したいという願書を出してから、ずっと支援してくれたのがネッド グッドウィンMW(現在シドニー在)で、彼が家庭教師としてついてくれたことが一つの節目でした。英語が得意でない私が合格できたのは、ネッド グッドウィンMWが日本語を聞けて話せたからで、取違いされそうなニュアンスの違いを日本語で説明してもらえたことは本当に幸せな立場でした。さらにその次に最終段階に入った時、リサーチペーパーでも英語がネック。ここではキャシー ヴァンジルMWが本当に親身になって、私を支えてくれたのが2つ目の節目でした。

MWになって、まだ4か月しか経ていませんが、私を取り巻く環境が変わったと実感しています。どこに行っても、「MWを受けたいのだけど、どうすればよいか?」、「WSETの教育機関のデイプロマを取りたいのだけど何かアドヴァイスをしてもらえないか?」との質問が多く、私が今までMWの先輩方にしてきたことをされる立場になっています。
今後のビジョンとしては、日本にMWがいなかったことで、日本市場に入り込めずにいた海外の生産者や、国際的な戦術を組めずにいた国内の酒類の造り手に、どういう戦術で攻めればサクセスストーリーを築きあげることができるかをアドヴァイスさせていただき、皆さんに貢献できればと思っています。


大橋MWは世界的に通じる学術論文達成にために多くの方々のサポートがあったことに言及し、さらに、「本日、会場にお集まりくださった皆さまも、大きな日本というチームの一員であると思っています」との言葉で感謝を表現していました。その言葉を受けて、800名が集う会場から大きな拍手が!


良き姉御キャシー ヴァンジルMWも応援に

歴史の産物、南アの歴史あるヴァン・ド・コンスタンスを大橋MWに贈呈

大橋MWを支えてきた功労者キャシー ヴァンジルMWが南アから認定祝賀会に駆けつけてくれました。
「MWは厳しく長い旅です。最初に難しいテイスティング試験があり、そのあと、5つのユニットから構成されている学科試験、そして最後の難関リサーチペーパーでは1万字を超える論文を書かねばなりません。大橋MWの場合は、さらに英語という高いハードルがありました。リサーチペーパーの作成では日に何十通もメールのやりとりをしました。彼には誰にも負けないワインへの情熱があります」と同志&良き姉御として健闘を称えました。




マスターワイン協会のロゴと大橋MWのネーム入りのコルクプレート
「大橋」の名前の通りに、生涯かけて大きな橋になりたいと強調していた大橋MWの、今後ますますのご活躍に期待しています。日本の酒類界の新たな一歩です!


タグ:大橋健一MW
nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0