SSブログ

〝7〟をキーワードにしたコンチャ・イ・トロ『ドン・メルチョーの秘密』 [チリワイン]

チリからコノスル社のチーフ・ワインメーカー、アドルフォ・フルタードさんが来日して行った『シレンシオ』発表のプレスディナーから2日後、チリの名門コンチャ・イ・トロ社からアイコンワイン『ドン・メルチョー』の醸造責任者エンリケ・ティラドさんが来日! 本来は国内でしか行わない特別なテイスティングセミナーを開催しました。
ちなみに昨年創業130周年を迎えたコンチャ・イ・トロ社はチリ最大のワイン生産者で輸出量は国内第1位。創業21年の若いコノスル社はコンチャ・イ・トログループで、現在チリ第2位です。


1987年、チリで最初に造られた超プレミアムクラスのワインが『ドン・メルチョ―』
創業者スペインの名門貴族コンチャ家のドン・メルチョー氏の名を冠したワイン


(C)Concha y Toro
マイポ・ヴァレーにあるコンチャ・イ・トロ社のエントランス


Fumiko AOKI /2013年9月撮影 
メルチョー氏の故郷スペインだけでなく、欧州の高級な家具や調度品が並べられた優雅なサロン

ドン・メルチョー醸造責任者来日記念パーティーでのサプライズ
輸入元日本リカーの竹内誠社長は「世界的にもトップに入るドン・メルチョーのブレンド前のコンポーネントテイスティングを体験することで、ドン・メルチョーをご理解いただけることと思います。また、同じエリアで産出するワインでも土壌や気候の微妙な違いによって香りや味に違いが出ることもご理解いただけるはず」とあいさつ


ワインラバーさんも参加した記念パーティーでは、ドン・メルチョーを構成する〝7 parcels(区画)〟のワインをテイスティングしました。ドン・メルチョーは異なる要素の7区画のワイン(1~6 はカベルネ・ソーヴィニヨン、7はカベルネ・フラン)からできていて、エンリケさんのブレンド術により、その年最高のワインを造り出しています。

ここでエンリケさんがこだわったのが、キーワードの〝7〟 
チリから輸送してきた2013年ヴィンテージの7区画をブレンドして、ドン・メルチョーを完成させる間、ベートーベンの『交響曲第7番』を3つの木管楽器(オーボエ、クラリネット、ファゴット)と4つの弦楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)の計7楽器で演奏するという趣向。

「ドン・メルチョーとオーケストラの共通点はそれぞれの構成要素が合体して出来上がるという点で、ワインもオーケストラもソロと全体では印象が異なります。これから各区画を〝異なる割合でブレンド〟して、ドン・メルチョーを完成させますので、皆さんは各楽器をドン・メルチョーのひとつの区画だと思ってご覧ください」とコメント。う~ん、貴族出身のドン・メルチョーらしい発想!


ブレンド比率は通常カベルネ・フランCFは2~9%(年によって異なります)とカベルネ・ソーヴィニヨンCS


マイベストは第5区画、ひとことで表現するとエレガント!
シダ、上品な酸(7つのなかで一番きれい)、きわめて滑らかで優しいタンニン、フランス的な味わい。単独で飲んでも十分おいしいワイン。「この酸は大事で長熟の要素のひとつ」とエンリケさん


ワインラバーさんの参加費(7000円)。特別空間でのセミナーを楽しみ、ワインと料理を楽しみ、極めつけはドン・メルチョ―2009(11000円)のお土産。皆さん、笑顔、笑顔でした!


チリのカベルネにはお肉がよく似合います!


Special Seminar 〝The Secret of Don Melchor -7 parcels〟
記念パーティーの前にプレス向けセミナーを開催


エンリケ・ティラドさんは1999年からドン・メルチョー専任のワインメーカーに就任し、現在ではコンチャ・イ・トロとバロン・フィリップ・ロートシルトのジョイントべンチャー『アルマヴィヴァ』の醸造責任者でもあります


(C)Concha y Toro
アンデス山脈麓にあるマイポ・リヴァーの北側に位置し、海抜は650㍍、面積は127㌶
プエンテ・アルトはマイポ・リヴァーによってアンデス山脈から運ばれた堆積物が蓄積した土壌。石が多く、貧しく、根は水を求めて深くまで成長。日較差は20度、アンデス山脈の麓は夜間山からの冷たい風が畑に吹きこみます。


(C)Concha y Toro
世界でも最高のCSが産出できるプエンテ・アルト
第1区画から第7区画まで分かれていますが、畑全体は100~150ほどの区画に細分化(1㌶かそれ以下)されており、畑のなかにさらに細かな畑がある感じです。以下、エンリケさんのコメント

第1区画
口中での第一印象は甘味、最終ブレンドでは赤い果実のキャクターを表現

第2区画
スパイスの印象、ミネラル、果実味、 口中にタンニン(粒の粗さ)、年によってはメンソールの印象が出る、第1区画と比べてそれほど甘味はない

第3区画
口中でタンニンの力強さ、長い余韻、最終ブレンドではタンニンの存在感を示す、長熟なワインにはタンニンが大事、有用な役目

第4区画
最終ブレンドでは異なる特徴のワインを調和させる役割、果実味、最初から最後まで継続したバランスの良さ、毎年ブレンドに欠かせない区画のワイン

第5区画
鉛筆の芯 口中に残るフレッシュな酸、繊細で柔らかなタンニン、最終ブレンドで綺麗な酸が加わることは大事な構成要素、長く熟成させることができる

第6区画
最終ブレンドで深み、濃厚さを表現。口中でのふくらみ、凝縮感、余韻も長い。最終ブレンドで中盤から後半にかけて長い存在感を示す完璧なワイン

第7区画
2~9%使うことで、アロマの複雑味をもたらす。フローラル、果実味、スパイス。口中では繊細なタンニン、CSよりフェミニンなワイン


7本をじっくり確認してからスタート!


シリンダーも手慣れた扱い


2013年ヴィンテージの完成!

IMG_5570 .jpg
一番奥左から順に1~4、中央左から5~7、手前左から2009年、2010年、7区画のブレンド


(C)Concha y Toro
プエンテ・アルトのカベルネ・ソーヴィニヨン、畑全体の90%を占め、樹齢は30年
他の品種はカベルネ・フラン(1999年からブレンドに使用)、メルロ(1995年に3%だけブレンド)、プティ・ヴェルド


完成形としてサービスされたのが2009年と2010年
■2009年・・・CS96%、CF4%
暖かな気候で春は多雨、口に含むとタンニンの甘さ、フレッシュさや酸味。ラストに赤い果実のさっぱり感が残る(エンリケさん)

香りから熟成のアロマを感じるのでより複雑さが出ている。果実味と酸味のコントラスト、シガーやタバコのニュアンス、まだ熟成が楽しめる(大越)

■2010年(船で日本に向かっている途中)は・・・CS97%、CF3%
寒い年で収穫時期も例年より10日から2週間遅れた。赤系果実&黒系果実のアロマとCS由来のアロマ、ミネラル、グラファイト、エレガントなタンニン、多層的な表現力をもち、純粋なテロワールを強く反映したワイン(エンリケさん)

■7区画をブレンドした2013年(2016年後半に発売予定)・・・CS93%、CF7%
緻密さがあり、力強さ、上品さ、エレガントさをバランスよく表現(エンリケさん)



エンリケ・ティラド講師、クリスャン・ロペスさん、大越基裕コメンテーターの3ショット


コンチャ・イ・トロ アジア・パシフィックCEOのクリスチャン・ロペスさんが手にしているのが記念パーティーに登場したスパークリングワイン『スベルカッソー エクストラ・ブリュット』です。チリから海外に出すのは初めてということで日本未輸入。シャンパン製法でCH85%とPN15%のブレンド

ドン・メルチョーに関するお問い合わせは日本リカー(株)商品部まで 電話03-5643-9772


nice!(12)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 12

コメント 2

gillman

北ドイツのリューベックに来ています。北は残念ながら良いワインがないんですが、マイセンまで下がれば飲めそうなので楽しみです。
by gillman (2014-10-24 11:17) 

fumiko

gillmanさん、今年2回目のドイツですか?
ワイン産地の北限ドイツも、気候変動の影響で、産地に変化が表れています。赤ワイン(シュペート・ブルグンダー=ピノ・ノワール)の良いものが増えましたし・・・現地でのワイン楽しんでください!

by fumiko (2014-10-24 17:26) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0