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ブルース・ミラー オーストラリア駐日大使との夕食会@大使公邸での意見交換 & 御礼ブログ350万PVクリア!  [オーストラリア]

緑に囲まれた駐日オーストラリア大使館&同大使公邸
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緑豊かな立地に恵まれた駐日オーストラリア大使館と隣接する大使公邸。特に庭園の桜が満開になる春はとても綺麗です。また、建物内部の部材も高級感にあふれています。

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6月19日は現当主ブルース・ミラー大使にお招きいただき、公邸にお邪魔してきました。
昨年名誉スペシャリストを拝受しながら、十分なお手伝いができていなかったのでやっとお役に立てそうな気配(笑)、今回はA+オーストラリア認定エデュケーター沼田実さんと一緒に、当日ご参加のワインスクールの講師さんに豪州ワインのトレンドや魅力をワクワク感を持ってお伝えすることが使命、光栄なことです。ホストのミラー大使の手際の良い進行役に救われ、なんとか任務完遂できました。

日本通のブルース・ミラー駐日大使
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大使に「ディナーに登場した7種類のワインのなかから、本日のマイベストを選んでください」とお願いして撮ったワンショット。銘柄が何かは、料理とのマリアージュの項でお知らせしますね

シドニーご出身のブルース・ミラー大使は2011年8月に着任、駐日オーストラリア大使に就任しました。あまりに流暢な日本語なので、そのわけを伺ってみたところ、お父上から「アジアの言語を学んでおきなさい」と言われたのがきっかけとのこと。それで決めたのが日本語です。「なぜ中国語ではなかったのですか?」との愚問に「(1970年代当時)日本は先進国であり、中国はまだ共産圏だったから」とのお答えが。初来日は1978年、学生時代です。大使職以前には在日オーストラリア大使館での役職に就いていらした時期もあり、日本への造詣がとても深い大使です。

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(左から)駐日オーストラリア モルドゥーン公使(商務)、オーストラリア大使館 山村さん、同 石澤さん、駐日オーストラリア フィリップ参事官(商務)、(ひとりおいて)沼田認定エデュケーター・・・(中央)ミラー大使・・・(最右)オーストラリア大使館小沢さん
6ワインスクール、藤巻さんや長谷部さん等8名の講師、輸入業者3社、業界紙(WANDS、ワイン王国)のオールメンバー

W杯真っ只中なので、私はブラジルのカナリアカラーのジャケットで伺いましたが、当日は豪州vsオランダの結果もあり、サッカー話題は禁句(笑)

オーストラリアワインの最新動向
夕食会に先立ち、ミラー大使は以下のように挨拶しました。
「2013年のワイン全体の消費量は5.6%増加し、ひとりあたりの消費量は3Lです。3Lは少なすぎるので、もう少し飲んで欲しいです。また、日本市場におけるオーストラリアワインの実績は85万ケース、シェアは4%程度です。EPA(日豪経済連携協定/来年から関税引き下げ開始で最終年に関税ゼロ)も締結したので、オーストラリアワインがさらなる注目を浴びる日も近いと考えています。
豪州全土には65の認定産地があり、2500近くのワイナリーが独自の哲学で切磋琢磨して、国際的にも評価の高いワインを造っています。ここ10年間で画期的な進化を遂げ、今後の展開には目が離せません。生産者は品質向上に努力を惜しまず、消費者の嗜好や流行に合わせたワイン造りを行っているので、幅広いタイプのワインが造られています。
2012年からワインオーストラリアではA+スペシャリスト認定制度を開始しました。これは豪州ワインの教育、啓蒙、販売等、専門的なスぺシャリストのコミュニティーを構築することを目的にしたものです」

そして、「一番大事なことは、豪州ワインに関するメンバーが一堂に会した本日のディナーで、おいしい料理とワインを一緒に楽しむことです」というメッセージで〆ました。

ワインと料理のマリアージュ
ウェルカムドリンクはタスマニア産、ステファノ・ルビアナのヴィンテージスパークリング
#1 ステファノ・ルビアナ ヴィンテージ・スパークリング・ブリュット シャルドネ・ピノノワール2004/小売価格7500円(税別)
輸入元ヴァイアンドカンパニーの唄さんからの解説「タスマニアは南半球の一番南、南緯32度の位置にあり、北海道の3分の2の面積。空気がきれいで冷涼なエリアです」と。サロンでの供出だったので画像失念。色調は黄金色、かなりドライな口当たり、ノン・ドゼクラス(3g以下)の印象を受けました。10年経過しているので、泡はワインに溶け込みクリーミー。ただ、複雑味を感じ取るまでに時間が必要でした。供出温度は冷蔵庫温度7~8度ではなく、10度以上のほうがまろやかさ、個性が出て面白さが楽しめると思いました。ステファノ・ルビアナはビオディナミ農法

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白が際立つテーブルセッティング

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新鮮な初夏の野菜と真鯛のワインヴィネガーマリネ ルッコラ添
#2と合わせるとワインヴィネガーの酸と良く合い、#3だと酸が引き立つ印象

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オーストラリア産南マグロのたたきサルサロッソース

(右から2つめ)
#2 ドメーヌAストニー・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン2011/小売価格5000円(税別)
NZやチリのSBとは異なるイメージ。樽使いのSB、沼田さんいわく「タスマニアにあるドメーヌAはCSで有名なワイナリーですが、近いエリアにボルドーやシャンパーニュの産地のようなスポットがあるのが特徴。豪州ワインは単純にとらえられがちですが、ヴィンテージにもいろいろな特色があります」
 
#3カレン ケビンジョン シャルドネ2011/小売価格8600円(税別)
ミラー大使からタスマニアからカレンのある西オーストラリアまでは3500km、豪州が広大な産地であることがわかりますとの説明があり、輸入元ファームストンの高田さんがワイン解説。「2011年ヴィンテージはスーパームーンの年で、2年前のリリース当時はミネラル感十分でしたが、今は落ちついて繊細」と。カレンのエレガントなスタイルについて、ビオディナミ農法の導入により、早く収穫(糖度をあまりあげず)しても酸がきちんと保たれ、〝風味〟もついてくると考えているカレン側のコメントを沼田さんが紹介

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#4トルパドル2012/小売価格8000円(税別)
2011年、ショー&スミスがタスマニアでこの畑を購入、ぶどうはアデレードまで移動させて醸造を行っています。果実味があり、酸がきれいで品の良いスタイル

#5バスフィリップ・クラウンプリンス ピノ・ノワール2009/小売価格8600円(税別)
ミラー大使の当日のベストワイン!
ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー産。ノン・フィルターなので若干の濁り、旨味成分、土っぽさ、キノコ、ビオディナミ農法

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オーストラリア産ラムロック ジャンボマッシュルームと粒マスタードソース添

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(左から2本目)
#6マウントメアリー ヴィンヤードクインテット2008/小売価格14000円(税別)
輸入元(株)kpオーチャードの谷上さんが解説。ヴィクトリア州ヤラ・ヴァレー産、クインテット(5重奏)同様、5つの品種をブレンド、CS46% 、ME26%、CF18%、MA5%、PV4%、コルクに関してはDIAMを導入
ワインと豪州産ラムとの相性◎、口中滑らか、このワインも酸がとても上品

(最左)
#7ロックフォードワインズ バスケットシラーズ2007/小売価格8000円(税別)
南オーストラリア州バロッサヴァレー産。バランスの良いワイン、香りのなかにユーカリ臭、沼田さんは「近くにユーカリの木が植えてある場合、白ワインは果皮を使わないので影響はないのですが、赤ワインは果皮を使うので、揮発性のユーカリオイルがついていると、影響が出る可能性があること」を指摘。早朝の収穫で、オイルの影響を防ぐ工夫もある由

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イチジクと木イチゴの赤ワインコンポート

じっくり煮込んだコンポートは厚みがあり、美味でした。私はすべての赤ワインと合わせて楽しんでいたのですが、#4は酸味が活き活き、#5は大人の相性、#6はメルロの凝縮感とマッチ、#7は隠れていた酸がメリハリをつけてくれる感じがあり、4種4様のマリアージュでした。

活発かつ率直な意見の一部を
タスマニアに興味を持っていたので、同産地のワインを3種テイスティングできたことはとても勉強になりました。泡ものに関して言えば、#1が7500円、個人的に高評価をしているアラス・グランド・ヴィンテージが6000円台、価格的にはともに高価です。来年から発効されるEPA効果に期待しつつ、プレミアムワインが少しでも安く手に入れば、消費者の意識も変わると思います。強大なシャンパンに対抗し、豪州産プレミアムスパークリングが活発に動くようになれば・・・泡もの市場における女子パワーの影響力は大

藤巻さんはバリエーションが豊かな豪州ワインをもっと知ってもらう必要性を主張。併せて、80年代後半から90年代前半には勢いがあり、カリフォルニアワインに拮抗していた豪州ワインが、今では明らかに差をつけられている感あり、と。デパートで多くの顧客と接していて感じるのは、豪州ワインがいまだに濃くて甘いイメージでとらえられていると。CS、CHの濃くて重いイメージも同じ。それらを刷新していくことが大事であるとのご意見でした。

第9回ワインアドバイザー全国選手権大会の覇者、長谷部さんは今回の7アイテムをテイスティングして、昨今の豪州ワインが〝パワフルなスタイルからエレガントなスタイルにシフト〟してきていることを指摘。ただ、それは高価格のものに集中している傾向なので、一般消費者が日常楽しめるワインのことを考えるなら価格は1000円前後であり、それら低価格ワインのなかに個性豊かな味わいのワインが多くあることをもっとPRしていくべきと。

WANDSの芳野編集長はブランド・イメージが必要と発言。豪州ワインの場合はペンフォールドのグランジがあってもあとに続くものがない。これをどのように作っていくかがテーマであり重要。EPAの関税に関して言えば、それは1つの要素に過ぎないので豪州ワインが絶対優位になるとは限らないと。人件費の高い豪州ではチリやスペイントなどのワインと比べると高くならざる得ませんが、それでも「豪州ワインはいいね」、「豪州ワインを飲むとこのように生活をエンジョイできる」、「もう1000円出せばその何倍も楽しめる世界があるよ」というようなことを、それぞれの持ち場の人たちが訴求していくことが大事であり、今までその積み重ねが十分にできてこなかったことが、日本でのシェアが4%という数字に出ている、とのご意見

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当日のマイベスト!
アルコール度数は高いのですが、清涼感が心地よく、エレガントさを感じるシラーでした。1950年代、ペンフォールド社が使っていた茶色の特殊なボトルです。

実は2011年の6月に行われたワインオーストラリア日本事務所主催のセミナーで2006年ヴィンテージを試飲していました。2006年は素晴らしい年で、それと比べると2007年ヴィンテージは難しい年でしたが、ミネラル感があり、上品な気がしました。余談ですが、このセミナーの翌日に行われた大使公邸での晩餐会は・・・まさに大使交代の時期で、当時大使だったマレー・マウレーンさんが本国に戻られ、その後任として来日なさったのがミラー大使!

オーストラリアでも当然のことながら、ワインと料理のマリアージュには力を入れているので、大使公邸でのディナーでも、相性に関して熟考してくださった印象を受けました。3インポータ―の厳選ワインと豪州産南マグロやラム等、同国の特産を取り入れた組み合わせは大いに納得でき、おいしくいただきました。
今開催にあたり、素晴らしいホスピタリティーを発揮してくださったミラー大使はじめ、モルドゥーン公使、フィリップ参事官、大使館の石澤さま、小沢さま、山村さまに改めて感謝いたします。ありがとうございました!!今後の目標、オーストラリアワインの日本でのシェアが4%から8%になることを願いつつ・・・


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2014年6月21日付

[わーい(嬉しい顔)]2013年8月12日の300万PVから約10カ月、区切りの350万PVをクリアしました!
1日あたりのアクセス数が2000を超えていた頃に少しずつ戻りつつあります、頑張ります!
最新情報、タイムリーなワイン情報等を発信してまいります。
引き続き、よろしくお願いしますm(_ _)m


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