ザ・ベルリン・テイスティング10周年記念ガラ・ディナーの前に Viña Errázuriz [チリ・アルゼンチン報告]
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チリのアコンカグア・ヴァレーを代表するワイナリーViña Errázuriz
昨年の訪問時、きれいな藤の花が出迎えてくれました!
チリ・アルゼンチンリポートの後半はヴィーニャ・エラスリスから始めます!
今年はチリワインの素晴らしさを世界に知らしめた 『ザ・ベルリン・テイスティング』からちょうど10年目です。同テイスティングは、2004年にドイツ・ベルリンで開催され、エドワルド・チャドウィック当主はその後、世界15ヵ国で同様のブラインドテイスティングを展開させました。東京でのテイスティングは2006年の6月にグランドハイアット東京で行われました。その時の1位はラトゥールで、2位~5位までがチリワインという結果になり、東京でもチリワインの実力を再認識するに至りました。これはチリのプレミアムワインが世界のトップワインと互して、名声を確立した出来事です。
今年は開催した国々で10周年を祝うガラ・ディナーが行われています。東京は6日、明日です!
アジアは8都市、秋には欧州各都市で祝賀会を行う予定だそうです。ちなみに台北、韓国はすでに終了し、東京の翌日は香港で行なう由、お忙しいですね。
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セラーに続く壁面にはエラスリスのアイコンワインたちが並んでいました!
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テイスティングの相手をしてくださったワインメーカーのウラジミール・メダルさん、入社14年で、2000年が初収穫だったそうです。カイを持っていただいたのはアイコンワインのなかで当日のベスト1だったからです。
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12アイテムの試飲で、白はソーヴィニヨン・ブランとシャルドネの2種類
フンボルト寒流が流れる冷涼エリア、アコンカグア・コースタのワイルド・イーストを使った『ワイルド・ファーメント』のCHとPNのフレッシュ感が印象的でした。
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第1フライト

アコンカグア・コースタはチリのニュー・アペレーション。上記左斜め上にある〇印の場所で左側が太平洋、そこから約12㎞です。スペインのプリオラート地方のリコレッリャ(粘板岩)と同様の土壌ゆえにミネラル感のあるワインができるそうです。
#1:Wild Ferment Cardonnay Aconcagua Costa2012
#2:Single Vineyard Sauvignon Blanc Aconcagua Costa2013
#3:Wild Ferment Pinot Noir Aconcagua Costa2012
アコンカグア・コースタではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール&シラーを栽培しています。#1 と#3はワイルド・イーストを使ったワインで、フレッシュさがありながら、シュル・リーさせることで複雑味を備えた味わいに。ウラジミールさんは「カサブランカのシャルドネはトロピカルフルーツのニュアンスがありますが、アコンカグア・コースタのシャルドネは酸やミネラルが豊かで、舌の上にドライな感触が残ります」と。また、#2は低温発酵(10~14度)由来のピュアでクリーンな味わいで、ミネラル感もあります。
第2フライト
#4:Max Reserva Merlot Valle de Aconcagua2011
#5:Max Reserva Carmenere Valle de Aconcagua2011
#6:Max Reserva Syrah Valle de Aconcagua2011
#7:Single Vineyard Syrah Aconcagua Costa2011
#8:Max Reserva Cabernet Sauvignon Valle de Aconcagua2011
このフライトのなかで、ウラジミールさんが強調していた点は2つ
「カルメネーレ (#5)はアコンカグアの土壌との相性が良く、日中と夜間の日較差が16度位になることで、色調も深く、酸味もフレッシュなぶどうが収穫できるし、ボルドーではすたれている品種なれど、チリ(というよりエラスリスでは)のカルメネーレは第一級の品種になっている」と。
「シラーに関してはフレッシュなスタイルを目指しており、バロッサの力強いシラーとは対極にある」と。私はローヌのシラーが好きなので、シラーのきれいな酸味をエラスリスではなにより大事にしていると感じました。10年前のシラーとは明らかにスタイルが変わっているようです。
#3のシラーはロンドンのIWCの受賞ワイン。シングルヴィンヤードの#4は凛とした風情があり、#3よりパワフルですが、エレガントで洗練されたイメージ。とても気になったシラーです。生産量は2000ケースとのこと。
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(左から)
第3フライト
#9:KAI 2011
当日のベスト1、チリのカルメネーレの究極。MAX5の区画の20年以上の古樹から造られたカイ2011。果実味、スパイシーさ、ソフトなタンニン、ミネラル感、すべてにバランスが取れていて、余韻は長く心地良い。年によって異なりますが生産量600~1000ケースの希少ワイン
#10:La Cumbre Syrah Valle de Aconcagua2011
エラスリスが力を入れていると感じさせる品種シラー。粘性が高く、スパイシーでミネラリティー、長期熟成で本領発揮。2010年が初VTなので、2度目のリリース。シラーと書いているだけに、豪州ではなく、ローヌ・スタイル。北部ローヌから苗木を移植。
#11:Don Maximiano Founder's Reserva Valle de Aconcagua2011
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを代表するだけでなく、世界のトップアワインと伍した実力派。スパイシーでパワフル。
#12Viñado Chadwick Maipo Valley2011
マイポの最上の区画のカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワイン。黒系果実、時間の経過でふくらむ複雑味、Alc由来の甘さ、ぶどうの熟度からくる凝縮感。テイスティング1時間30分前にデキャンティングして供出
時間がもっとあれば、4種のアイコンワインとは、もっと対話をしていたかったです。
超近代的な新醸造所
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2010年に完成したアイコンワインだけを造る『ドン・マキシミアーノ・アイコン・ワイナリー』
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グラヴィティ・フロー・システムで内部には10基のオーク・ファーメンターと20基のステンレスタンク
醸造するのはドン・マキシミアーノ、ファウンダーズ・リザーヴ、カイ、ラ・クンブレ&セーニャ
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アコンカグアには画像MAX1(17㌶/標高600㍍)からMAX7までのぶどう畑があります。

3週間前に植樹したばかりというカルメネーレの若木
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畑のトップにはシラーを、中腹のスロープにはカベルネ・ソーヴィニヨンを植樹しています。
エラスリスはいろいろな意味で別格でした。
ワイナリーにはザ・ベルリン・テイスティングの様子を撮影した写真が開催順に展示されていました。有坂芙美子さんやステーヴン・スパリエさんも写っていましたが、明日、東京で、その出来事が、タイムスリップするのはとても嬉しいことです。
訪問時、丁寧な対応をしてくださったウラジミールさん、ありがとうございました!
広報のスーパー才女ヴェロニカさんには帰国後もお気遣いいただき、ガラ・ディナーの件でもお世話になりました、感謝です!
輸入元のヴァンパッション川上大介社長にも改めて御礼申し上げます。
来週はカテナのニコラス・カテナ当主が来日します。
昨年のカテナ訪問では土壌の研究結果はじめ、多くのことをシェアさせていただきました。アルゼンチン報告もこの後の宿題。中味の濃かったチリのコンチャ・イ・トロ、ヴィーニャ・マイポもまとめていきますので、懲りずによろしくです!
タグ:ヴィーニャ・エラスリス
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