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SOPEXA JAPON主催シャブリセミナーに登場した3種の和風出汁 [ワイン]

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画像:SOPEXA JAPON
昨3月に続き、八芳園でSOPEXA JAPON主催のシャブリセミナーがありました。シャブリからの来日者はなかったのですが、講師は前回同様ソムリエの佐藤陽一さんが務め、講和中の佐藤節も健在(笑)でした。2013年のセミナーは コチラをご参照くださいませ。

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画像:SOPEXA JAPON
供出されたワインは6種類で左から順に
#1:Petit Chablis2011, Domaine Louis Moreau
プティ・シャブリ2011(ドメーヌ・ルイ・モロー)
土壌はキメリジャンではなく、ポートランディアン期の石灰質。外観は透明度が高く、キラキラと輝いている印象、香り華やか、白い花、黄色系果実、ミネラル、余韻に熟した果実の由来のボリューム感。Alc12%でバランス良好

#2:Chablis La Pierrelee2011, La Chablisienne
シャブリ・ ラ・ピエルレ2011 (ラ・シャブリジエンヌ)
キメリジャン土壌、香りは#1よりおとなしい印象、おしろい花、口中では#1の酸味がより明確に。ミネラル、塩っぽさ、佐藤講師の表現に「日本の果実で言うと琵琶、合わせる食材はアンチョビや塩気のあるビスケット」があり、ワインに塩気を感じていたのでアンチョビ、ビスケットの提案には大いに納得!

#3:Chablis Premier Cru Vau de Vey2011, Domaine Jean-Marc Brocard
シャブリ・プルミエ・クリュ・ヴォー・ド・ヴェイ2011(ドメーヌ・ジャン・マルク・ブロカール)
キメリジャン土壌、色調は黄金色、カリンやアカシア、おだやかな酸味、後味に軽いビター感、口中でのふくらみ、余韻は長め。「仔牛、鶏、オマール海老など、かみしめる時間の長い料理に合わせて。小麦粉やバターを使ったパイ包みなどがおススメ」と佐藤講師。「マッチ、火打石、河原の湿った石、銅のような金属的な香り」等の表現もありましたが、この特徴的なニュアンス、#3をテイスティングすることで理解できました。

#4:Chablis Premier Cru Fourchaume2011, Domaine Alain Geoffroy
シャブリ・プリミエ・クリュ・フルショーム2011 (ドメーヌ・アラン・ジェフロワ)
キメリジャン土壌、樹齢25~45年、温度管理されたステンレスタンクで醸造・熟成、黄色系果実、上品な酸、蜂蜜、塩気、余韻に熟した果実のニュアンス。「貝、牡蠣、シーフードサラダに」と佐藤講師

#5:Chablis Grand Cru Vaudesir2011, Domaine Gerard Tremblay
シャブリ・グラン・クリュ・ヴォーデジール2011 (ドメーヌ・ジェラール・トランブレイ)
キメリジャンに砂質土壌、黄金色、輝きがあり、ディスク厚め、樹齢35年、手摘み、65%(3分の1新樽)樽熟成、香りは少し閉じ気味、ヨード香、燻したニュアンス、ボディがあり、中盤以降、酸味がのびやかに持続。もう少し熟成させて飲みたいシャブリ。#5を飲んでから、#1#2に戻ってみると、前述2種のワインのすっきり感、飲みやすさが良くわかります。このヴォーデジールのポテンシャルを実感。「野菜(今ならタラの芽)の天ぷらを塩で」と佐藤講師。

#6:Chablis Grand Cru Les Clos2010, Domaine Long-Depaquit
シャブリ・グラン・クリュ・レ・クロ2010 (ドメーヌ・ロン・デパキ)
黄金色、輝きがあり、6つのなかでは一番落ち着いた印象(#6だけ2010年VT)、果実味(柑橘系)、ハーブ(クレソン)、口中で中盤以降、酸が広がり、余韻も長め。佐藤講師の「(粟とかヒエのような)小粒の穀物のような香り」との表現も

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佐藤講師が八芳園の料理長と相談して用意してくださったのが「和風出汁3種」
左からaカツオ出汁、bコンブ出汁、cシイタケ出汁
右上に塩(長崎県五島列島産)、梅干し、海苔の佃煮(自家製で糖分無添加)

3種の出汁とシャブリの相性をみると
■佐藤講師から「お塩を少しなめてからワインを味わってください」との指示があり、トライ

すべてのワインは抵抗なく美味しく飲めました。これは以前、べリンジャーワイナリーを傘下にもつトレジャリーワインエステーツ社にいらした古本龍彦さん(ワインと食事のペアリングの研究家)からもご教授いただいたことがあるのですが、テキーラを飲む要領で、手の甲にレモン汁を2~3滴たらし、そこに1つまみの塩を加え、タンニンの強い赤ワインと合わせた場合でも、口中がさっぱりします。その時、古本講師は「レモンと塩によって味わいが緩和されるから」とおっしゃっていましたが、レモンと塩は料理とワインとつなぐ大事な存在だと思っています。八芳園では(レモンはなかったのですが)このあとの実践でお塩が大活躍しました。

■シャブリと和食との相性探求のために
・素のままのaカツオ出汁とbコンブ出汁を各ワインとあわせて、これは! という印象を受けるまでには至らず

abの出汁を一緒にして適宜〝お塩〟を入れて撹拌。この完成品dと各ワインを合わせると・・・
以下、すべて個人的見解ですが、#6のレ・クロとの相性が良かったように思います。双方が引き立つ感じ、出汁を先に飲むとワインがより生き生きしてくる印象。さすがグランクリュ!

cシイタケ出汁とは#5の相性が好み。くんせい香のニュアンスと酸味のバランスが双方を引き立てていました。これもグランクリュ!

・海苔の佃煮に少しお塩を加えて各ワインと合わせて、すんなり納得できたのは#5 のヴォーデジール、ワインに感じたヨード香から相性の予想はつけていましたが、お塩をプラスすることで、とてもバランスが良くなりました。

・最後は梅干し! 私は#3のヴォー・ド・ヴェイと合わせることで甘味を感じました。MLFをしているシャブリなので、テイスティングの時にもまるい酸味を感じました。このまるさが酸のきつくない梅干しと合っていた感じです。佐藤講師は「#4と合わせることですんなりきます」とおっしゃっていました。

とても貴重な実践になりました!
日常、カツオ出汁やコンブ出汁を使っていますが、〝和食とシャブリ〟と言った時に、そのベースになる出汁の味わいを理解しておけば、和食ならではの旨味成分とのマリアージュを表現することができます。
今回、各出汁と1つずつのワインとの〝ベースの相性チェック〟が十分できなかったので、出汁を作って再挑戦してみたいと思っています。そのような意味からも価値あるセミナーになりました。
佐藤陽一講師、SOPEXAの引間直子さん、小谷智恵子さん、ありがとうございました!!


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