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11月のシャンパン編講座はピエール・ジェルベにフォーカス [オープンカレッジ]

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左から
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#2:オーセンティス プティ・メリエ2005(デュヴァル・ルロワ)
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008 (イタリア/アンドレア・アリチ)
#4:ロダス・ブリュット・ナチュール(ピエール・ジェルベ)  
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット(ピエール・ジェルベ)
#6:ブリュット・デザイン・パリ2006(デュヴァル・ルロワ)

11月のシャンパン編講座では、シャンパ―ニュ地方の規定7品種のなかのピノ・ブランとプティ・メリエに注目。第1フライトでは、同地方の若手の精鋭ピエール・ジェルベのピノ・ブランと若手ソムリエの育成に注力するデュヴァル・ルロワのプティ・メリエの比較をしてみました。

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左2グラスはブラン・ド・ブラン(白ぶどう100%)、中央の2グラスはブラン・ド・ノワール(黒ぶどう100%)。微妙な色調の違いがお伝えできれば嬉しいのですが

シャンパンの生地が命のピエール・ジェルベ
シャンパーニュ南部の産地コート・デ・バール地区セル・シュール・ウルス村で4代続く家族経営のメゾン。ピノ・ノワールの多い産地ながら、同メゾンでは伝統的に白ぶどうの比率が高く、ピノ・ブランを4.5ha植樹。粘土石灰質の土壌の斜面に自社畑18.5haを所有、平均樹齢は30年超、100年樹齢の古樹もあります。

同メゾンは親子で仕切っていますが、メインは23歳のオーレリアン・ジェルベ。オーレリアンは「シャンパンになる前の段階のワイン造りをしっかりと学びたかった」という理由で、ボーヌにある醸造学校へ。同時期、一流ドメーヌの跡継ぎグロ・フレール・エ・スール、アルヌー・ラショー、ジャン・グリヴォーが仲間だった由。ピエール・ジェルベの将来を担うオーレリアンの手腕に期待!

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シャンパーニュ地方の規定品種ピノ・プラン、プティ・メリエ、アルバンヌ  画像協力:タルラン

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第1フライト
#1:ロリジナル・エキストラ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ブラン100%
ドザージュ:5~6g/L 
価格:9000円(豊通食料)
10月に行われた豊通食料さんの試飲会で、気になったのがこのシャンパン。ブラン・ド・ブランでも#1はピノ・ブラン100%、従来のブラン・ド・ブランとは似て非なる印象なれど、なぜか惹かれる味わい。果実の豊潤さ、ハーブ、アカシアの蜂蜜のニュアンス(マイルド)、全体的にシャルドネよりも繊細なイメージ、切れの良さとふくよかさを備えたワイン

#2:オーセンティス プティ・メリエ2005
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:プティ・メリエ100% 
価格:12000円(ヴィレッジ・セラーズ)
988本の少量生産。このプティ・メリエは若手ソムリエの育成に力を入れているルロワ女史が研修用に使うことが多く、市場での流通は少ないシャンパン。緑のニュアンスを含んだ#1のピノ・ブランと比べると、色調は濃く、金色を帯びたイエローカラーで、香り華やか。フェンネル、黄桃、かりん、熟成感がありながら酸味はフレッシュ、余韻に軽いビター感。ブラン・ド・ノワールを飲んだ時のような骨格を感じさせるワイン。デュヴァル・ルロワのプティ・メリエは今回を含めて2度目なので、ぶどうの個性を探るにはもう少し回数が必要

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第2フライト
#3:フランチャコルタ・ドサッジョ・ゼロ “ネロ”2008
生産者:アンドレ・アリチ
産地:イタリア・フランチャコルタ地区グッサーゴ村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:8600円(テラヴェール)
11月にフランチャコルタ協会日本事務局が開設され、イタリア大使館でお披露目のセミナー&試飲会が行われました。その折、テラヴェールさんから説明を受け、即、採用したくなったのが、この泡ものでした。ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)100%のブラン・ド・ノワールで、ドザージュはゼロ。
アンドレア・アリチの栽培地は標高400m、元々は赤のスティルワインの産地でしたが、フランチャコルタ生産へ。グッサーゴの土壌は石灰質で、年間通じて冷涼なエリア。ミネラル感が豊かで、塩気のニュアンスを感じます。デゴルジュマンに対する考え方は、「デゴ後1年間は瓶熟させる」を徹底しています。これはブルーノ・パイヤールの考え方と同じで、シャンパンにとってデゴルジュマンは外科手術と同じで、「回復までには時間が必要」ということで、1年間瓶熟期間として休ませているようです。気泡も元気、ぶどうの本来の旨味、ミネラル感が特筆していて、講座生の支持も高かったフランチャコルタでした。

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アンドレア・アリチは地図で言うと、右側の石灰質土壌のエリアになります。

#4:ロダス・ブリュット・ナチュール
※ヴィンテージの表記はないのですが、ベースは2010年単一年産
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
産地:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール100%
ドザージュ:0g/L
価格:6500円(豊通食料)
オーレリアンが手掛けた新キュヴェ、樹齢50年のピノ・ノワールから造られたプラン・ド・ノワール。ドザージュはゼロ。醸造時のSO2無添加、土壌は粘土石灰質。上品な酸味、ミネラル感豊かで、口中ドライな印象、中盤以降広がるまろやかさ&豊潤さが魅力

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第3フライト
#5:キュヴェ・ド・レゼルヴ・ブリュット
生産者:ピエール・ジェルベ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・バール地区セル・シュル・ウルス村
品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ25%、ピノ・ブラン25%
ドザージュ:7~8g/L
価格:5000円(豊通食料)
シャンパンの代表品種ピノ・ノワールとシャルドネに、ピエール・ジェルベがこだわるピノ・ブランを使ったシャンパン。ピノ・ブランをブレンドすることで、若々しく、チャーミングな印象に。柑橘類を連想させる繊細な酸、青りんごやグレープフルーツ、スパイシー(白コショウ)、余韻に残るビター感、食前酒に!

#6:ブリュット・デザイン・パリ2006
生産者:デュヴァル・ルロワ(NM)
拠点:フランス・シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区ヴェルテュ村
品種:ピノ・ノワール、シャルドネ
価格:7000円 (ヴィレッジ・セラーズ)
アメリカの人気画家リロイ・ニーマンが「art de vivre」というパリの街を表現したボトルで、従来からのNV(ピノ・ノワール70%、シャルドネ20%、ピノ・ムニエ10%)とは別バージョンのヴィンテージシャンパン。直近のヴィンテージは2006年で、ぶどう品種は約10の区画のピノとシャルドネのみを使用。ライチ、黄桃、ナッツ、ビスケット、若干ソルティなニュアンス、口中での気泡なめらかで上品、バランスが取れたシャンパン、クリスマスにお薦めしたい1本、NVと使い分けを楽しんで!

12月の講座はロゼに特化してみますので、講座生の皆さま、お楽しみに!

[るんるん]来年のシャンパン編冬期講座の募集が始まりました。
2014年も引き続き、シャンパンの魅力を探究してまいりますので、よろしくお願いします!
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