香港食のホットスポット ~キッコーマンの浸透度からお洒落なワインショップまで~ [香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア]
リーガル・ホテル香港の20階からの眺め
人気の『正斗』とキッコーマンとのコラボレーション
香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア2013(11月7日~9日)取材のため香港へ。展示会前日の夕方、現地に到着。ホテルで小休止した後、キッコーマンの駐香港代表、当地に8年住んでいる杉浦健さんと待ち合わせて街中に。杉浦さんに4時間ほど現地の食事情探究のナビゲートをしていただきました。
地元民や中国本土の観光客から愛されている正斗。香港の主要エリアに5店舗を構える同店は、Congee & Noodle Wantun(お粥とワンタン麺)という店名にもあるように、麺粥が特に有名です。折しもキッコーマンでは正斗全店と組んで、10月1日から12月上旬までブランドキャンペーンを展開中だったので、その様子を垣間見るため、ハッピーヴァレー本店を訪問しました。
メニューのなかの2品にキッコーマンの濃口醤油が使われていて、中国表示“萬字醤油 まんじじょんやう”も! 卓上瓶も料理名の横にオンメニューされていました。
農林水産省が農林水産物・食品の輸出促進に向けてかかげる3本柱は、■Made In Japan(日本の農林水産物・食品の輸出)、■Made By Japan(日本の「食文化・食産業」の海外展開)、■Made From Japan(世界の料理界で日本食材の活用推進)。今回はMade From Japanが目的だったので、まさに的確な実例でした。
キッコーマンのブランド戦略は日本食に欠かせない調味料として定着するだけでなく、現地の中華料理にも合う醤油として広く使用され、浸透していくことであり、香港の背後に控える中国本土を見据えて行動しています。
帆立のダシが効いた穏やかな白粥、品の良い味わい、さすが評判のお粥店!
歯ごた十分な海老焼売はスイートチリソースで
キャンペーン中の1品、焼きそば、メニューにある「豉油皇炒麺」、読み方は難しいですね。
麺の食感はソフトで、醤油の香ばしさがイイ感じに表現されています、美味美味!
キッコーマンと中国産の利き比べをしてみました。
日本産は外輪郭に透明感があり、艶もあります。若干ブラウン系のニュアンスを感じました。香りにはみたらし団子や焼き餅の香ばしさを連想させる魅力があります。『正斗』のシェフも日本の醤油の香り&味わいの素晴らしさを大いに認めているそうです。
片や、中国産醤油は、濃くて深い色調、底が見えません。う~ん、香りから納豆臭を感じました。臭いに気を取られ、味見することを忘れてしまったのですが、今、思えば、きちんと味わいもチェックすべきだったと反省しています。次回チャンスがあれば、中国産醤油の香りを2~3、体験したいと思っています。
香港税関の協力で模倣品解決
フランス・ボルドー地方のシャトーでも中国の偽物対策には力を入れていますが、食品は口に入るものだけに、消費者も十分気をつけなければなりません。キッコーマンでもリーマン・ショック以降、フェイク騒動に出くわしましたが、香港税関の協力で全面解決に至っています。事の一部始終は香港メディアに大きく取り上げられました。同社では消費者に向けて小売流通品には模倣品がないことを記した広告や、模倣品と正規品の見分け方を写真比較で示し、正規代理店情報の提供も徹底しました。丁寧なフォローでエンドユーザーを安心させる活動も行っていますし、監視の目も厳しくしているので、フェイク騒動以降、模倣品を香港で流通させる業者は今日まで発見されていないそうです。
帰国後、産経EX21日刊の食を楽しむのページに、香港食事情を書かせていただきました。連載中の「ワインのこころ」の上段なので、この日はオンリー青木冨美子ページになりました。迅速な対応をしてくださった佐野編集長、Gデスク、S記者に感謝しております、ありがとうございました!!
International Finance Centre(IFC)のなかにあるcity' super
香港のアイコンビルIFC
88階まであるTwo IFC
IFCのショッピングモール内の日系スーパーcity' super
日本から輸入された生鮮食品の品揃えも充実していて、香港人の日本製品への信頼度を感じました。加工品は全国から届き、シティ・スーパーのオリジナルブランドも並んでいます。日本食が恋しくなったら、是非!
ナビゲーター役の杉浦健駐香港代表は大学時代はサッカー部の主将だった内藤剛志似のナイスガイ!
キッコーマン製品はかなりのスペースを占めています。
精肉コーナーでは一瞬、東京のデパートにいるような錯覚も!
欧米系スーパーTaste
『ミニにいがた酒の陣』の開催場所View62があるビルの隣りがTaste
香港の地場系スーパーParknパークンショップのアッパークラスがTaste
親会社のトップはホンコンフラワーで有名な李嘉誠(りかしん)、香港一の財閥、世界の大富豪
正斗で使っていたキッコーマンの卓上瓶もしっかり並んでいました。
香港人はゴマの風味が好きなので、なんにでもかけて食べることが多いとのこと
キッコーマンの系列マンズワインの勝沼ワイナリーで、醸造の松本顧問から「梅酒を作っています」との説明を何回か聞いておりますが、その梅酒が香港の棚に並んでいました、嬉しいです!
香港インターナショナルワイン&スピリッツフェアの開催時期に合わせ、特別催事コ-ナーにはワインが!
通常のワインコーナーではディスカウントも!
お洒落なジェイソンズ
昨年8月、コーズウェイベイのSOGOの対面にできたハイサンプレイスビル
地下にある地場系ハイエンドのスーパーマ-ケットがジェイソンズ
消費者の目につくゴールデンゾーンに製品が並んでいました。
最左の青ラベルの製品は、米国で広く流通している『Gluten Free Soy Sauce』、小麦アレルギーの人に安心して醤油を楽しんでいただくために開発された商品だそうです。
この赤ラベルは、香港だけでなく、日本を除くアジア各国を対象とした製品で、香りの豊かさはそのままに、甘みを加味した『Special Fragrance』。香港では中華調理用に適しているということで愛用されています。
清潔感があって、お洒落な陳列、ワイン選びの楽しさを倍増させてくれるスペースです。
豪州のペンフォールドは香港でも人気のアイテム
中国語圏では「奔富」と書き、意味が良いそうです。
天然とんこつラーメン『一蘭』ブレーク中
今年7月、香港の若者に人気のエリア、コーズウェイベイにできた『一蘭』
福岡を拠点に日本全国で約50店舗を営業している同店の海外一号店
香港初の24時間営業、連日長い列が続いています。
エピローグ
香港出張前に香港貿易発展局にお邪魔して、意見交換をしました。ワイン、日本酒、香港における日本の食文化についてのお話もありました。当日いただいた『香港の食品市場と食品ハブとしての機能』という資料のなかに、キッコーマンの茂木友三郎名誉会長の言葉が掲載されていました。『WEDGE(2012年12月号)』から抜粋したもので、そこには以下のような記述が。
「海外進出には企業の大小は関係ありません。誰にも負けない特徴があるかないかです。
〝命がけで海外事業を成功させる〟という熱意も必要でしょう。
まずどこを攻めるのか、エリアを絞り、自らの強みが何なのか見極めることが大事です」
この言葉をもとに、取材の方向を決めました。
お世話になっているマンズワインの茂木信三郎社長に、香港での仲介をお願いしたところ、
“男気”のある茂木社長は、私が10の言葉を語る以前に、私の心中をすべてを読み取り、完璧なルートを敷いてくださっていました。渡航前に茂木社長から届いた粋なメッセージは・・・「青木さんはこの取材先をみつけるのに最も適した茂木信三郎ルートのドアをノックしたわけです」と。マジ感涙でした。
茂木信三郎社長、キッコーマン松浦健駐香港代表、実のある取材ができました。
本当にありがとうございました、今後ともよろしくお願いいたします!!
タグ:香港キッコーマン
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