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更なる品質向上に取り組むサントリー塩尻ワイナリ―&登美の丘ワイナリー [ワイン]

富士にはぶどうが良く似合う!IMG_9437 .jpg
赤富士は早朝の陽を受けての表現のようですが、秋の夕暮れ時、そのようなイメージに!


10月11日、サントリーの塩尻ワイナリーを訪問、契約農家の山本園にもお邪魔しました。
実りの秋を感じさせる壮観なぶどうの連なり、同園はこの日の午後から収穫作業に入りました。

サントリー塩尻ワイナリー

新しく導入した3KLと5KL容量の醸造用タンクが並んでいます。


除梗したぶどうは振動式の選果台に運ばれていきます。


除梗したあとはこんな感じです。


サントリーはウイスキー用の製樽工場を所有していて、ウイスキーに合うミズナラの樽を作っています。マスカット・ベーリーAがこのミズナラの樽と相性が良いということで、現在、フレンチオーク(容量225L/スギャン・モローをメインに4~5社)だけでなく、ミズナラ樽(容量258L)も使用しています。ただ、「ウイスキーが好調なので、樽が思うように回ってこないのが悩みです」と近保所長

ソムリエ協会の機関誌編集長時代、樽についての特集を組みました。Chマルゴーのポール・ポンタリエさんや、ピエモンテのアンジェロ・ガヤさん等、錚々たる方にご意見を伺いました。また、『樽とオークに魅せられて』の著者加藤定彦さんには樽材について寄稿していただきました。「樽はワインやウイスキーに独特の香味をつくるのに必要不可欠なものであり、世界中どこに行ってもオークが使われています。オークとはナラ、カシ類の属を表す英語で、学名はGuercus(クエルクス:ラテン語で「良質の木材」、「美しい樹」という意味)。日本ではミズナラ、カシワまたシラカシ、アラカシなどコナラ属(和名)を言います」との記述がありました。

そして、このクエルクスが、ドングリの樹の名前で、コナラやミズナラ、カシワは、実はそれらの樹が、みんなクエルクスの仲間だと教えてくださいました。機関誌No85は私にとっては永久保存版、今読み返しても懐かしく、勉強になっています。


塩尻ワイナリーからバスで15分ほどのところに契約農家の『山本園』があります。見事なメルロ、畑の後方にはマスカット・ベーリーA(MBA)が栽培されています。


棚の高さは身を少しかがめるくらいです。これはオーナーの山本博保オーナーの身長に合わせているとのこと。加齢により身長も変化するので、棚もそれに合わせてだんだんと低くなっていくそうです、マジに!


山本博保オーナー(左)と塩尻ワイナリーの近保所長和志所長

塩尻ワイナリーが契約している農家さんは約70で、うち、メルロを栽培しているところは約25。ぶどう園はほとんどおひとりでなさっている由、収穫時はサントリーの社員さんも参加しています。


山本園には美味しそうなリンゴもあります。こちらは奥様が担当なさっています。


標高は700m以上、普段はそれほどでもないそうですが、訪問当日はかなり強風でした。

近保所長から「山本さんのメルロも、台風(26号)前に無事収穫が終わり、宝石のようなぶどう果が選果台の上を流れていきました。現在ゆっくりと醗酵工程を進めておりますが、今年もしっかりと良いワインに仕上げたいと思います」との嬉しいメールが届きました。更なる品質向上を期待しましょう!



サントリー登美の丘ワイナリー

10月6日から収穫を開始したカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)を新規導入のタンクで仕込み中、今年は1週間から10日位収穫が早めです。

「8月21日のピノ・ノワールから始まり、リースリング・フォルテ、9月上旬から中旬にかけてCH(通常は9月の中旬から下旬にかけて収穫)、赤ワインは種の熟度を見極めながらメルロ、CF、PVと進め、今はCSを収穫中。渋みの質感が緻密で凝縮しています」と渡辺技師長
ブラック・クイーンは通常9月中旬頃、メルロの前に収穫していましたが、今年は10 月14日、15日頃を予定。


斜めの除梗機(中にあるドラムをゆすって梗を落とす)で、ぶどうをできるだけソフトに扱い、選果台に。粒を徹底的に選りわけ、健全果だけをタンクへ。収穫したぶどうはコンテナー(奥に見えるブルーの箱)に入れ、一晩冷蔵庫(5度程度)で寝かせてから翌朝取り出し、仕込みに入ります。


選果台を流れていく果粒、粒選りは登美の丘クラスに使われます。


フレンチオークの樽業者はスギャン・モローを中心に7社、全体の1割程度は和樽(ミズナラ)


網を張った畑にはカベルネ・ソーヴィニヨン(CS)が栽培されています。


秋とは思えないほどの好天気、南南東に位置する富士山が良く見えました。今年は2割、3割しか雨がなく、8月後半から9月にかけて猛暑だった由。CSは予定量106トンのうち、98トンまで収穫が完了。

総面積150haのうち、ぶどう園は約25 ha。品種構成は赤6割、白4割で、10年後、20年後を見据えていろいろな品種を植えています。黒ぶどうのなかの注目品種はブラッククイーン、完熟させ酸を生かしたワイン造りを究めようと考えている由。ピノ・ノワール、タナにも取り込んでいます。


レストランで8アイテムをテイスティング
■サントリージャパンプレミアム『津軽ソーヴィニヨン・ブラン』2011年と2012年
■サントリ―ジャパンプレミアム『かみのやまメルロ』2010年と2011年
■サントリージャパンプレミアム『岩垂原メルロ』2009年と2012年
岩垂原地区の契約農家は100%棚式栽培。午前中に訪問した山本園のメルロはジャパンプレミアムの岩垂原メルロに使われています。2012年VTは新しい選果台を使っているので、リリースが楽しみです。
■サントリー登美の丘ワイナリー『登美 白』2011
■サントリー登美の丘ワイナリー『登美 赤』2008


レストランのテラスから一望できるこの光景、好きなんです!


(左から)吉野弘道さん、登美の丘ワイナリー渡辺直樹技師長、櫻井鋼代表取締役社長、登美の丘ワイナリー高田清文所長、篠田健太郎さん

懇親会には10アイテムのワインが登場しました。気になったワインはサントリー『ジャパンプレミアム 塩尻メルロ ロゼ2012』、秀逸なヴィンテージのメルロから造られたバランスの良い辛口のロゼ、和食と合わせて楽しみたい1本でした!
2ワイナリーぷらす山本園を1日で視察するスケジュールだったので、時間的に少しタイトでしたが、2ワイナリーの新醸造設備にかける期待感が伝わってきました!

[ハートたち(複数ハート)]サントリー登美の丘ワイナリーに行きませんか!
http://www.suntory.co.jp/factory/tominooka/index.html?fromid=wine_square#tasting
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gillman

先日からフィレンツェに来ています。ここではスッキリした赤ワインが美味しいような気がします。イタリアは43年ぶりですが、ビールも美味しくなっているのに驚きました。

by gillman (2013-10-24 05:09) 

fumiko

gillmanさん、フィレンツェからのコメント、嬉しいです。
43年ぶりのイタリアということは、ドイツ赴任中に訪問して以来ですか
イタリアワインが大きく変化したのは1968年
フィレンツェからはじまった〝ワイン・ルネッサンス〟です。
その変化をEnjoy!!


by fumiko (2013-10-25 02:58) 

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