ワインとナチュラルライフが満喫できるVina VIK [チリ・アルゼンチン報告]
only one red wine 『VIK』
カチャポアル・ヴァレーのアパルタ地区ミリャウエの地に広がるVina VIK ヴィーニャ・ヴィック
総面積4325haの大自然のなかに、ぶどう畑とモダンなワイナリーとゲストハウスがあります。
2006年に誕生した、このワイナリーのオーナーはノルウェー人でファイナンス業のアレクサンダー・ヴィックさんです。「南米一の場所で世界最高のワインを造りたい!」との思いを実現させるために、2004年に動き出しました。ワイン全般は、仏ボルドーのサン・テミリオン地区の歴史ある『シャトー・パヴィ』の元オーナー、ジャン・ポール・ヴァレットさんの息子パトリック・ヴァレットさんが担当。今回のVIK訪問で、案内役をしてくださったゴンザグ・ドゥ・ランベール副社長は2006年からチームに参画していますが、仏ボルドーのポムロール地区にある『シャトー・ド・サル』がご実家
ぶどう畑は400haあり、ここから造られるのは赤ワイン『VIK』、1アイテムのみ。
使用ぶどうは黒ぶどう5種類で、カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)、カルメネール、メルロー、カベルネ・フラン、そしてシラーになります。
フランスではワイン法で、その土地で栽培できるぶどう品種は明確に規定されています。サン・テミリオンではカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、マルベック、メルローですし、ポムロールならメルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックになります。
VIKの場合は、ボルドー品種に、ローヌ地方のシラーを少しだけ使っている点がユニーク、フランスを意識しているように感じますが、チリの自由さを生かしたオンリーワンのワインです。
細かい土壌分析を重ね、微気候や畑の向きに合わせてぶどうを植樹、崩積土壌の大きな石があるシラーの畑。北側斜面は日当たりが良いのでカルメネールを植え、南側斜面は涼しいので、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを植えているとのこと。
ぶどう樹の根元を見ながら、台木について説明するランベールさん
19世紀末、ワイン産地を襲ったぶどう害虫フィロキセラ※の被害にあわなかったチリには自根のぶどう樹が結構残っていますが、VIKでは、万が一を考え、6種類(101-14、3309、R110他)の台木を使用しています。
※一般的なフィロキセラ対策は台木(根の部分)に北米系のぶどう樹を使い、そこに欧州系のぶどう樹を接木
巨大な貯水池とゲストハウスが遠くに見えます
地質年代によって、粘土質、砂質、小石等が主体となる10の異なる土壌があり、標高はワイナリーのある場所が250mで、ぶどう畑は400m
新ワイナリーの白い屋根は特製パネルのエコシステム、電気の供給をまかなっています。
収穫期にぶどうの葉の緑が一面に広がると、ワイナリーの白い屋根が一層際立つそうです。
樽熟成庫等、詳細に作り上げられたワイナリーの模型
樽はフレンチオークだけを使用、樽業者は5社で中心となるのシルヴァンやスガン・モロー
品種、土壌違いを利き分けるワインテイスティング
「南斜面の畑は海からの冷たい風の影響で他のエリアより温度が1.5~2 度低く、収穫時期も10日~15日遅くなります」とチーフ・ワインメーカーのヴァレーホさん
第1フライトは2010と2011をテイスティング
■2010年は現在発売中、瓶詰から1年半経過。CS56%、カルメネール32%、CF5%、メルロー4%、シラー3%のブレンド。樽熟成23ヶ月、Alc14%、口中滑らか、乳酸やヴァニラの要素、バランスの取れたワイン
■2011年は今年の4月に瓶詰したワイン、来年の3月にリリース予定。CS55%、カルメネール29%、CF7%、メルロー5%、シラー4%のブレンドで、樽熟成23ヶ月、Alc14%、深くて濃い紫色、まだまだ若いワイン、黒系果実、ミント、スパイス、木香のニュアンス、ポテンシャルあり
ヴァレーホさんは「毎年、5品種を使い、ベストなブレンドにしてその年の個性を出しています。品種の比率は異なりますが、ワインは同じスタイル、エレガントなスタイルです」と語っていました。
第2フライト
バレルサンプルは後列左から順に7グラス
2012年収穫のワイン。現在樽で熟成中のワインなのですべてバレルサンプル
北斜面と南斜面、土壌違いのカベルネ・ソーヴィニヨン
■CS 北斜面(日照度高い)、粘土質(畑の区画はColchaguilla)
ガーネットカラー、ストロベリーやプラム等の赤・黒系果実、口中での厚み(gras)、上品な酸、まるいタンニン
■CS 南斜面(涼しい)、砂質
濃いバイオレットカラー、フレッシュ感、スマートな酸、ミント、森の下草、舌の上に乾いたタンニン
アルコールに関して、「気候が良いチリのワインは全体的にアルコールは高めです。VIKは大体14%を上回る程度、瓶熟させることで、バランスが取れたワインになるので、アルコールの強いワインという印象はないはずです」とチーフワインメーカーのヴァレーホさん
第3フライト(第2フライトと同ヴィンテージ、樽熟成中のバレルサンプル)
■カベルネ・フラン、北斜面(畑の区画はAlmendro)
深みのあるガーネット、赤・黒系果実、ミネラル感、余韻は長くてソフト、CFを飲んだあと、先のCSに戻るとタンニンの質の違いあり(CFのほうがフェミニンな印象)
■メルロー 南斜面、粘土質(畑の区画はLos Lazos)
濃いガーネット色、香り閉じ気味、果実を噛んだような印象、喉の奥にアルコール由来の甘味と温かさ
■シラー 北斜面、崩積岩土壌(畑の区画はLa Feria)
紫色を含んだ深い色調、黒系果実、旨味、樽由来のヴァニラやココア、スパイス、穏やかな酸味
第4フライト(第2フライトと同ヴィンテージ、樽熟成中のバレルサンプル)
■カルメネール 北斜面、粘土質(畑の区画はMaquehua)
バイオレットカラー、果実の旨味、杉や鉛筆の芯、若干渋みのあるタンニン、酸味豊か、
■カルメネール 南斜面、砂質(畑の区画はLos Lazos)
紫色を含む深い色調、黒系果実、スパイス、樽由来のココア、乳酸風味、凝縮感あり、上品な酸味
北斜面のぶどうにはプラムやダークチェリーのような果実のニュアンスがあり、砂質土壌のワインにはきれいな酸の印象がありました。個人的にはVIKチームが言っている「微少でもブレンドすることで複雑味が出る」というシラーが面白かったです。
チリ渡航前にポール・ポンタリエさんの来日セミナーがあったことをヴァレーホさんにしたところ、「2003年にシャトー・マルゴーで収穫の手伝いをしていました」というタイムリーな返答が。ヴァレーホさんは欧州やアメリカに出向いて、多くの収穫体験をしています。ランベール副社長は販売とマーケテイングの担当、VIKのアジア圏での反応は良いようです(日本未輸入)
2010年ヴィンテージは約1000ケース(12本入り)の少生産
ワンランク上の楽しみがあるVIKのもうひとつの顔
ここからはリゾートに関する話題です。
約2週間のチリ・アルゼンチン滞在で、一番印象的だったのがVina VIKでした。“大自然との共生”を実感したからです!
日本にある施設のなかでそのイメージに近いものを探すなら、以前、伊勢神宮参りの折にお邪魔した、原生林のなかに佇む御宿『The Earth』ではないかと思います。
敷地内に建てられた4部屋だけのゲストハウス。宿泊した部屋は窓全体が透明ガラスになっていて、そこから見えるのは巨大な貯水池と緑豊かな森だけ。贅沢な緑の空間に感動して、まだ陽が昇っていない早朝に目が覚めてしまい、思わずカメラを取り出し、フラッシュなしで撮影したのが上記の画像です。こわいくらの荘厳さでした。
同じ角度から撮影した日の出後の朝霧の風景
ゲストルームの左側にある透明ガラス、この窓の外に貯水池があります
お部屋のドアを開けるとテラス・・・お洒落!
テラスをまっすぐ進むとダイニングルームがあり、そこから見えるアンデス山脈は見事でした!
新ワイナリーはチリの建築家Smiljan Radic スミリアン・ラディックさんが手掛けたそうですが、ここで新情報をひとつ!
ランベール副社長によると、今年の11月(来月です! ) には、ランディックさんが設計した新ホテルが完成するとのこと。20室のなかには、“ジャパニーズ”、“エルメス”等の名のついたお部屋があるそうです。完成すれば、プールや乗馬、アロマテラピー等が楽しめるゴージャスな施設になりますので、ワンランク上のワインツーリズムが満喫できます!
南米旅行のご予定がある方は、こまめなチェックをなさってください。ちなみにVIK はウルグアイやスペイン等にもホテルを所有しています。まずは秀逸なワイン産地チリのVina VIKのゲストハウスをご覧ください。
>>>http://www.vikhotels.com/en/vina-vik-hotel-millahue-chile.html
VIKで英気を養った後、同じカチャポアル・ヴァレーにあるエミリアーナに向かいました!
カチャポアル・ヴァレーのアパルタ地区ミリャウエの地に広がるVina VIK ヴィーニャ・ヴィック
総面積4325haの大自然のなかに、ぶどう畑とモダンなワイナリーとゲストハウスがあります。
2006年に誕生した、このワイナリーのオーナーはノルウェー人でファイナンス業のアレクサンダー・ヴィックさんです。「南米一の場所で世界最高のワインを造りたい!」との思いを実現させるために、2004年に動き出しました。ワイン全般は、仏ボルドーのサン・テミリオン地区の歴史ある『シャトー・パヴィ』の元オーナー、ジャン・ポール・ヴァレットさんの息子パトリック・ヴァレットさんが担当。今回のVIK訪問で、案内役をしてくださったゴンザグ・ドゥ・ランベール副社長は2006年からチームに参画していますが、仏ボルドーのポムロール地区にある『シャトー・ド・サル』がご実家
ぶどう畑は400haあり、ここから造られるのは赤ワイン『VIK』、1アイテムのみ。
使用ぶどうは黒ぶどう5種類で、カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)、カルメネール、メルロー、カベルネ・フラン、そしてシラーになります。
フランスではワイン法で、その土地で栽培できるぶどう品種は明確に規定されています。サン・テミリオンではカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネール、マルベック、メルローですし、ポムロールならメルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックになります。
VIKの場合は、ボルドー品種に、ローヌ地方のシラーを少しだけ使っている点がユニーク、フランスを意識しているように感じますが、チリの自由さを生かしたオンリーワンのワインです。
細かい土壌分析を重ね、微気候や畑の向きに合わせてぶどうを植樹、崩積土壌の大きな石があるシラーの畑。北側斜面は日当たりが良いのでカルメネールを植え、南側斜面は涼しいので、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを植えているとのこと。
ぶどう樹の根元を見ながら、台木について説明するランベールさん
19世紀末、ワイン産地を襲ったぶどう害虫フィロキセラ※の被害にあわなかったチリには自根のぶどう樹が結構残っていますが、VIKでは、万が一を考え、6種類(101-14、3309、R110他)の台木を使用しています。
※一般的なフィロキセラ対策は台木(根の部分)に北米系のぶどう樹を使い、そこに欧州系のぶどう樹を接木
巨大な貯水池とゲストハウスが遠くに見えます
地質年代によって、粘土質、砂質、小石等が主体となる10の異なる土壌があり、標高はワイナリーのある場所が250mで、ぶどう畑は400m
新ワイナリーの白い屋根は特製パネルのエコシステム、電気の供給をまかなっています。
収穫期にぶどうの葉の緑が一面に広がると、ワイナリーの白い屋根が一層際立つそうです。
樽熟成庫等、詳細に作り上げられたワイナリーの模型
樽はフレンチオークだけを使用、樽業者は5社で中心となるのシルヴァンやスガン・モロー
品種、土壌違いを利き分けるワインテイスティング
「南斜面の畑は海からの冷たい風の影響で他のエリアより温度が1.5~2 度低く、収穫時期も10日~15日遅くなります」とチーフ・ワインメーカーのヴァレーホさん
第1フライトは2010と2011をテイスティング
■2010年は現在発売中、瓶詰から1年半経過。CS56%、カルメネール32%、CF5%、メルロー4%、シラー3%のブレンド。樽熟成23ヶ月、Alc14%、口中滑らか、乳酸やヴァニラの要素、バランスの取れたワイン
■2011年は今年の4月に瓶詰したワイン、来年の3月にリリース予定。CS55%、カルメネール29%、CF7%、メルロー5%、シラー4%のブレンドで、樽熟成23ヶ月、Alc14%、深くて濃い紫色、まだまだ若いワイン、黒系果実、ミント、スパイス、木香のニュアンス、ポテンシャルあり
ヴァレーホさんは「毎年、5品種を使い、ベストなブレンドにしてその年の個性を出しています。品種の比率は異なりますが、ワインは同じスタイル、エレガントなスタイルです」と語っていました。
第2フライト
バレルサンプルは後列左から順に7グラス
2012年収穫のワイン。現在樽で熟成中のワインなのですべてバレルサンプル
北斜面と南斜面、土壌違いのカベルネ・ソーヴィニヨン
■CS 北斜面(日照度高い)、粘土質(畑の区画はColchaguilla)
ガーネットカラー、ストロベリーやプラム等の赤・黒系果実、口中での厚み(gras)、上品な酸、まるいタンニン
■CS 南斜面(涼しい)、砂質
濃いバイオレットカラー、フレッシュ感、スマートな酸、ミント、森の下草、舌の上に乾いたタンニン
アルコールに関して、「気候が良いチリのワインは全体的にアルコールは高めです。VIKは大体14%を上回る程度、瓶熟させることで、バランスが取れたワインになるので、アルコールの強いワインという印象はないはずです」とチーフワインメーカーのヴァレーホさん
第3フライト(第2フライトと同ヴィンテージ、樽熟成中のバレルサンプル)
■カベルネ・フラン、北斜面(畑の区画はAlmendro)
深みのあるガーネット、赤・黒系果実、ミネラル感、余韻は長くてソフト、CFを飲んだあと、先のCSに戻るとタンニンの質の違いあり(CFのほうがフェミニンな印象)
■メルロー 南斜面、粘土質(畑の区画はLos Lazos)
濃いガーネット色、香り閉じ気味、果実を噛んだような印象、喉の奥にアルコール由来の甘味と温かさ
■シラー 北斜面、崩積岩土壌(畑の区画はLa Feria)
紫色を含んだ深い色調、黒系果実、旨味、樽由来のヴァニラやココア、スパイス、穏やかな酸味
第4フライト(第2フライトと同ヴィンテージ、樽熟成中のバレルサンプル)
■カルメネール 北斜面、粘土質(畑の区画はMaquehua)
バイオレットカラー、果実の旨味、杉や鉛筆の芯、若干渋みのあるタンニン、酸味豊か、
■カルメネール 南斜面、砂質(畑の区画はLos Lazos)
紫色を含む深い色調、黒系果実、スパイス、樽由来のココア、乳酸風味、凝縮感あり、上品な酸味
北斜面のぶどうにはプラムやダークチェリーのような果実のニュアンスがあり、砂質土壌のワインにはきれいな酸の印象がありました。個人的にはVIKチームが言っている「微少でもブレンドすることで複雑味が出る」というシラーが面白かったです。
チリ渡航前にポール・ポンタリエさんの来日セミナーがあったことをヴァレーホさんにしたところ、「2003年にシャトー・マルゴーで収穫の手伝いをしていました」というタイムリーな返答が。ヴァレーホさんは欧州やアメリカに出向いて、多くの収穫体験をしています。ランベール副社長は販売とマーケテイングの担当、VIKのアジア圏での反応は良いようです(日本未輸入)
2010年ヴィンテージは約1000ケース(12本入り)の少生産
ワンランク上の楽しみがあるVIKのもうひとつの顔
ここからはリゾートに関する話題です。
約2週間のチリ・アルゼンチン滞在で、一番印象的だったのがVina VIKでした。“大自然との共生”を実感したからです!
日本にある施設のなかでそのイメージに近いものを探すなら、以前、伊勢神宮参りの折にお邪魔した、原生林のなかに佇む御宿『The Earth』ではないかと思います。
敷地内に建てられた4部屋だけのゲストハウス。宿泊した部屋は窓全体が透明ガラスになっていて、そこから見えるのは巨大な貯水池と緑豊かな森だけ。贅沢な緑の空間に感動して、まだ陽が昇っていない早朝に目が覚めてしまい、思わずカメラを取り出し、フラッシュなしで撮影したのが上記の画像です。こわいくらの荘厳さでした。
同じ角度から撮影した日の出後の朝霧の風景
ゲストルームの左側にある透明ガラス、この窓の外に貯水池があります
お部屋のドアを開けるとテラス・・・お洒落!
テラスをまっすぐ進むとダイニングルームがあり、そこから見えるアンデス山脈は見事でした!
新ワイナリーはチリの建築家Smiljan Radic スミリアン・ラディックさんが手掛けたそうですが、ここで新情報をひとつ!
ランベール副社長によると、今年の11月(来月です! ) には、ランディックさんが設計した新ホテルが完成するとのこと。20室のなかには、“ジャパニーズ”、“エルメス”等の名のついたお部屋があるそうです。完成すれば、プールや乗馬、アロマテラピー等が楽しめるゴージャスな施設になりますので、ワンランク上のワインツーリズムが満喫できます!
南米旅行のご予定がある方は、こまめなチェックをなさってください。ちなみにVIK はウルグアイやスペイン等にもホテルを所有しています。まずは秀逸なワイン産地チリのVina VIKのゲストハウスをご覧ください。
>>>http://www.vikhotels.com/en/vina-vik-hotel-millahue-chile.html
VIKで英気を養った後、同じカチャポアル・ヴァレーにあるエミリアーナに向かいました!
タグ:Vina VIK
なんて素敵なゲストハウス!
涼しくなって漸く赤が飲みたくなる季節ですね。チリの赤、滅多に買わないけど今度試してみようかな。
by miumiu (2013-10-11 02:02)