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チリ公式訪問中のPrincess Akiko of Mikasaをお迎えした『Viu Manent』 [チリ・アルゼンチン報告]

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9月4日はコノスルを朝9時に出発し、右手にアンデス山脈を見ながら、コルチャグア・ヴァレーにあるViu Manent ヴューマネントに向かいました。ここでも国旗がお出迎えしてくれました。

国旗といえば、実は私がお訪ねした翌週の11日に、チリを公式訪問中だったPrincess Akiko of Mikasa(彬子女王)がヴューマネントで、施設見学やランチを楽しまれたようです。日本を発つ前に訪問情報は聞いていたので、4日にお邪魔した折、三代目のホセ・ミゲル・ヴュー マネージングディレクターに「おめでとうございます」とごあいさつ。「とても光栄なことです」とおっしゃっていました! 彬子女王Viu Manent訪問のニュースはチリのサイトでも紹介されていますのでリンクしておきます。東日本大震災でのチリ側からの支援に対する感謝と両国の友好関係を強化する目的だったようですね。http://www.sommelier.cl/?p=1665

三代目が活躍するヴューマネント
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1935年創業から始まる『ヴューマネント』の沿革
スペインからの移民だった祖父はワインを買い付け、ボトリングして売っていましたが、1966年に現在のワイナリーがある『サン・カルロス』の畑と大農園主の館を入手して念願のワイナリーを興しワイン造りを開始します。

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左からコルチャグア・ヴァレーにある3つの畑
■サン・カルロス(1966年購入)は平坦な地形の2つの川に囲まれたエリア、粘土、砂質、堆積土壌。カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)、マルベック、メルロー、シラー、SB、CH、ヴィニエ、セミヨン
■ラ・キャピラ(1992年購入)は緩やかな斜面、ライムストーンでミネラル豊かな土壌。マルベック、CS、メルロー、カルメネール
■エル・オリバール(1999年購入)はヒルサイド、ミネラルを含む小石&粘土質のもろい土壌。メルロー、マルベック、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド。2000年からグルナッシュ、テンプラニーリョなども植樹

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ワインツーリズム用の四輪馬車で園内のぶどう畑を視察

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サン・カルロスには樹齢100年のマルベックも

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ワインセラーの両サイドにはカベルネ・ソーヴィニヨン

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今年から導入したというたまご型のタンク! 
ビオディナミの生産者の施設でよく見かける形ですが、同ワイナリーはビオの生産者というわけではなく、マセレーションやワインの循環が緩やかであり、たまごが生命の源であること等が理由で使っているようです。

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ステンレスタンクは10年くらい前から導入

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1700樽が並んだ壮観な貯蔵庫。全体の90%がフレンチオークで、現在9~10社の樽を使っています。メインの樽業者はヴィカールやシルヴァン。残り10%はアメリカンオークを使用。「2年前から、300Lの樽を使ってバレルトライアルを行っている」とエノログのホアンさん

1993年にチリで初めてマルベックをリリース
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ホセオーナーとテイスティング、気になったワインはマルベックでした!

ヴューマネントは1993年、チリで初めて、マルベックの品種名ワインをリリースしたワイナリーであり、マルベックに関して特筆できることは60年~80年、100年までの古樹があることです。

■左から3本目(2008年/このヴィンテージだけCSを6%ブレンド)、4本目(2009年)、5本目(2010年)の3本はサン・カルロス畑の区画4、5、6の樹齢80年のマルベックを使用した『Single Vineyard Malbec』
2008年は若干ブラウンを含む色調、酸味とタンニンとアルコールのバランスが良く、ベリー系果実、腐葉土、タバコ、甘草、スパイス等、複雑味があるところが魅力。2009年は暖かいヴィンテージに由来するふくらみがあり、タンニンの印象もなめらか。2010年はまだ若いワインで、ヴァニラやココア、タバコやスパイス、ミネラルも感じます。3ヴィンテージともに個性があり、それぞれ調味料を工夫して、料理との相性を考えたくなる楽しさがありました。

■左から6本目の『ViBo2008』は同ワイナリーのアルゼンチンプロジェクトのワイン、2007年が初リリースなので、2008年は2度目のヴィンテージ。アンデス山脈を越えたアルゼンチンのウコ・ヴァレーの2区画のマルベックをブレンド、約1000C/S(12本入)の少生産。アイコンワインでボトルは重量感のあるタイプ。環境エコ対策に関しては、他のレンジでボトルの軽量化に取り込んでいるようです。

紫を含む深みのある色調で、良く熟した黒系果実、熟した種に由来する丸いタンニン、ボディがあり、若干青いハーブのニュアンスを感じました。パワー十分(Alc15.4 %)、料理との相性では、肉類がイメージできるガッツリ系です

レストラン『RAYUELA』で
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オーナーおすすめのタルタル

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歯ごたえの良いシュリンプ、塩加減もしっかりしていたので、赤にもよく合いました

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ひとり分の量としては多めでしたが、味付けが良かったのでほぼ完食できたラム!

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オーナーが用意してくださったのが『マルベック レセルバ1997』
十数年経過したチリのマルベックは、果実の風味があり、甘草やスパイスのニュアンスも感じました。ワインに溶け込んだタンニンも心地よく、思わず笑顔に。酸の余韻もありました。

同ワイナリーが手掛けるチリのマルベックと、アルゼンチンプロジェクトのマルベックの比較はとても面白い体験で、マルベックに対する興味がさらに膨らみました。チリのマルベックには複雑味が、アルゼンチンのマルベックには果実味とアルコールの豊かを感じました。現在ヴューマネントの輸出相手国は45か国あり、日本ではコルドンヴェールが輸入元とのこと。ヴューマネントの日本でのラインアップを見てみたいと思いました。

この日はこの後、カチャポアルヴァレーのVina Vikに向かいました。
タグ:Viu Manent
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まろまろまね

チリも素晴らしいワイナリーがたくさんあるのですね!コノスルのイベント行きたかったのですが予定が合わず残念です
by まろまろまね (2013-10-07 18:03) 

fumiko

まろまろまねさん、niceとコメント、ありがとうございます!
滞在中18ワイナリーと2グループと関わりましたが、それぞれに個性があり、とても勉強になりました。
その特徴をできるだけ、わかりやすくブログで紹介していきますので、
参考になさってください。
コノスルイベントは残念ですが、ワインラバーさんが楽しめるイベントがありましたら、順次、お知らせしますね♪
by fumiko (2013-10-08 22:45) 

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