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20周年を迎えたCono Surとチリのプレミアムワインの先駆者Montes [チリ・アルゼンチン報告]

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サンチャゴから南に150km、コルチャグア・ヴァレーにあるコノスルでは国旗がお出迎え!
一昨日、26日刊の産経EXワインのこころでCono Surを取り上げているので、2日目の記事は訪問順を午前・午後入れ替えてまとめます。

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ワイナリーからアンデス山脈がよく見えます。

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コノスルのトレードマークは“自転車”、畑の途中にも大きな自転車のオブジェがありました。
自転車はぶどう畑で働く農夫たちのシンボル、足代わりになっていますし、取材陣も自転車で敷地内を走り回ることが多いようですが・・・私はワインメーキングマネージャーマティアス・リオスさんが運転する車に乗せていただき、移動しました。重くてサドルが高く、脚の自由が効かない型は乗りこなせません。女性用電動アシスト自転車を1台用意しておいてくださると嬉しいなぁ

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300haあるチンバロンゴの畑の150haはオーガニックの認証を受けており、コノスルは南米で一番最初にISO9001とISO14001を取得しています。また『サンタ・エリサ』畑のピノ・ノワールは1986年に植樹された古樹であり、同ワイナリーのピノのルーツと言えます。
移動の途中、植物を割いて、ひも状にしている作業員を発見

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剪定作業等で、ひも代わりに使っているのが、先程の作業員が作っていたひも(植物名をピタと言っていたような)。10年前まではプラスティック製のひもを使っていたそうですが、今では環境を考え、自然に戻る植物に切り替えています。


騒々しい鳴き声の主は、畑の中のギース(ガチョウたち)でした。飼育小屋には赤ちゃんグースもいるので、総勢1000匹程度いるとのこと


ぶどう畑の樹に包帯が巻かれているような・・・

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リオスさんの説明によると、この包帯はメキシコ原産の害虫ブリトー対策だそうです。ブリトーは地中に住むベジタリアンの虫で、春先になると出てきてぶどうの芽や新梢を食べる由、それで台紙にニンニクと糊を混ぜ、樹に貼り付けます。その結果、地中からはい上がってきたブリトーはニンニクの臭いに耐えられず退散、土中に戻りますが、グースたちもブリトーを食べてくれるので、健全な畑造りに貢献しているわけです。

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ぶどうの搾りかすやミルクと砂糖と動物のフンを混ぜて発酵させて作ったオリジナルコンポスト

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黒い袋の中はコンポストで、使い方はすぐ後に見えるコンクリート製の水槽に入れてティーバックの要領で成分を抽出させ、それを灌漑パイプを通して畑に撒くそうです。ぶどう畑のオーガニック栄養ドリンクです。

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醸造所の全景

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テイスティングはまず泡ものから。2本ともビオビオ・ヴァレーにあるキトラルマン・エステイトのぶどうを使用。ブリュットは香り華やか、青リンゴや白い花を連想させるフレッシュさがあります。フレンチオーク(新樽15%使用)とステンレスタンクで発酵させたワインをブレンドしてタンクで二次発酵させています。ロゼはピノ・ノワール100%、発酵はステンレスタンクのみ、爽やかさが特徴。

新情報としては、冷涼な産地として知られているカサブランカ・ヴァレ-のシャルドネを使い、シャンパンと同じ瓶内二次発酵によるブラン・ド・ブランを仕込中で、ドザージュ量をどの程度にするか、これは状態を見て最終決断するとのこと。従来のシャルマ(タンク内)製法と異なる、本格的な泡ものの登場はとて楽しみです。

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2003年に初リリースしたフラッグシップワイン『オシオ』(画像右)、ぶどうはカサブランカ・ヴァレー(エル・トリアングロ)85%とサンアントニオ・ヴァレー(カンポリンド)15%。フレンチオーク100%で12カ月熟成。ストラクチュアのしっかりしたワイン。オシオの前に5アイテムのピノを試飲したのですが、オシオの香りとは明らかに異なっていました。これについてリオスさんに質問したところ、「テロワールの違い」と断言。オシオについては再度テイスティングの機会を持ちたいワインだと思いました。

現地では24アイテムを試飲、3脚のグラスで次々入れ替える流れだったため、グラス画像、全ボトルの画像は無しです、sorry~

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ディナーは家庭でも作れるカジュアルスタイル、モッツァレラチーズが素直な味わいで美味。

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洋梨の赤ワイン煮に『20Barrels Syrah2011』を合わせて
シラーにはプラムや黒系果実、ビターチョコのニュアンスもあるので、チョコ系のデザートでも面白いかも

コノスルの輸入元スマイルでは、単一ぶどう品種を最も適した単一区画で造りだした『シングル・ヴィンヤード』シリーズを新発売しています。白ぶどうはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングで、黒ぶどうはカベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルロー、カルメネール、シラーの計8アイテム、その日の気分に合わせて楽しみながら選べるアイテムだと思います。

10月の半ばにはチーフワインメーカーのアドルフォ・フルタードさんが来日して、シングル・ヴィンヤードのワインについてじっくり解説してくださるようなので、それも楽しみです。





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サンチャゴから南に180km、コルチャグア・ヴァレーにあるラ・フィンカ・デ・アパルタ・エステートへ。ここは天使がトレードマークの『Montes/モンテス』の本拠地です

1988年創業の『モンテス』は今年25周年、コノスル同様若いワイナリーですが、チリのプレミアムワインの先駆者として世界にその存在を明確に示してきました。

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風水(feng-shui)を取り入れたモンテスのワイナリー

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古樹カベルネ・ソーヴィニヨン

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選果台を経たぶどうはグラヴィティー・フロー・システムで屋上階から下の階の発酵タンクに

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右端に見えるのがワインリフト。チリ初のリフト導入をしたモンテス

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風水を取り入れたセラーには800樽が寝ていました。輸出マネージャ―のデニス・ムライさんの説明を聞いていて、「BGMの音量がやけに大きいなぁ」と思っていたのですが、それは樽の中のワインに聞かせるためのものでした。エニグマ的な雰囲気を感じましたが。

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お相手をしてくださったデニスさんは、モンテス創設者のおひとりダグラス・ムライさんのご子息!
4年前に輸入元エノテカの招聘で来日したことがあるデニスさんは和食のことも良くご存知でした。セラーに隣接するテイスティングルームにも日の丸への気遣いが

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画像右から2本目、シラー100%の『Folly2010』には、男性的なパワフルさと、熟した優しいタンニンの要素がありました。クレージーを意味するワインのラベルもユニークで、英国のイラストレーター、ラルフ・ステッドマンのセンスを感じます。

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テイスティングしたアイテムはそれぞれ個性があり、どれも素晴らしかったのですが、「1つだけ挙げなさい」と言われたら、やはり『Montes Alphe "M"2010』、エレガントさを備えたワイン、1996年が初ヴィンテージでチリワインの凄さを知らしめた1本です。
2010年ヴィンテージはカベルネ・ソーヴィニヨン80%、カベルネ・フラン10%、メルロー&プティ・ヴェルド各5%のブレンド、最初のうちは香りも閉じ気味でしたが、果実味と酸味とタンニンの3要素のバランスが良く、余韻もきわめて長め、ポテンシャルのあるワインです。

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ワイナリーのテラスでランチ。周囲を借景にした贅沢な空間でした。一瞬、ナパにいるような気分に! 周囲の環境、調和を大事にした小さな池もあります。

唯一、ぶどう畑の見学ができなかったことが残念でした。アパルタにはカルメネール、カベルネ・ソーヴィニヨンを筆頭にシラー、マルベック、カベルネ・フラン、カリニャン、プティ・ヴェルド、グルナッシュ、ムールヴェードルの黒ぶどうしか植えていません。「アパルタの畑の最上部は斜面が45度もあるので、特別のチームが特性の道具を使って収穫作業をしています。アクロバットのようです」とデニスさんは語っていました。
チリで最初のプレミアムワインを誕生させた『モンテス』探求、所要時間3時間は・・・短すぎました。
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