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トーレス家の5世代目、期待の精鋭ミゲル・トーレス・マクサセックCEO来日! [来日したワイン生産者&関係者]

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マス・ラ・プラナ2008を手に笑顔のミゲル・トーレス・マクサセック(トーレスJr)CEO

『ニコライホーフ』のクリスティーネ・サース夫人との3日間が終了した翌日、スペインからトーレス家の5世代目マクサセックさんが来日。記念のプレミアムワインディナー@パレスホテルが開かれました。招聘したのは輸入元の三国ワインです。同社は1988年にミゲル・トーレス・チリの販売を開始以後、ジャン・レオン(スペイン)、マリマー・トーレス(カリフォルニア)、2012年にはスペインのトーレス独占販売権を得て、現在トーレスファミリー4グループのワインを扱っています。

トーレスJrは自己紹介からワイナリーの説明まで、父親のトーレスさんと同じく日本語で10分近くスピーチしました。そのなかで、■チリで3年間働いていたこと ■チリ地震の際には日本および三国ワインから温かな支援を受けたこと等に触れ、感謝の言葉を述べていました。今年2月に来日したトーレスさんもセミナーでは、「日本語はちょっと難しいです」と言いながらも、日本語を上手に使いこなしていました。トーレス父子の向上心には感服です。

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きれいに整えられたテーブルには京都・舞扇堂の「お扇子」が!
ワイン業界の誰よりも地球温暖化対策に力を入れているトーレス家らしい、環境に配慮した粋なプレゼントでした。

ワインに合わせて供されたパレスホテル自慢の料理
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チリ産のサーモン スモークとマリネの2種類の味わい
 彩り豊かなデコレーションでミニオクラと野生のルッコラと共に

ワインは#2サンタ・ディグナ エステラード・ロゼNV
Jrコメント:500年ほど前にスペインからチリに移植された最古の品種パイス種100%の特別なワインです。4年かけて改良のための研究を行い、スパークリングワインを造りました。200年以上の樹齢のぶどう樹もあります。このワインは酸味があるので料理に良く合います。

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カナダ産のオマール海老 カリフラワーのクスクス仕立て
 マグレブのミックススパイス“ラス・エル・アヌート”の香りも芳醇なジュ

ワインは#3ラス・ムラス ソーヴィニヨン・ブラン2012
Jrコメント:ソーヴィニヨン・ブランはチリでは女王のような品種で、アンデスの麓でも海岸に近いエリアでも寒冷な気候でよく育ちます。100%オーガニック栽培のワインです。

ワインは#4ミルマンダ シャルドネ2009
Jrコメント:スペインのカタルーニャ地方の中心コンカ・デ・バルベラ地域のワインで かなり昔にシャルドネを植樹、自社畑15ヘクタールで、年間の生産量は限定で1500ケース。1年間オーク樽で熟成させています。ポテンシャルがあり、口中での余韻も長いです。

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オマール海老と相性が良かったのが#2エステラード・ロゼ、守備範囲の広いリーズナブルな泡ものです。オマール海老とロゼは“色で合わせる相性“の良きサンプルでした。

各テーブルを回ってくださったトーレスJrに「エステラードロゼのコルクが以前と変ったように感じるのですが」と質問したところ、「ガス圧があるワインなので、検証の結果、従来よりもう少し長めにすることが望ましいと判断し、変更しました」とのお返事あり。このワインに関して、「今年1月に行われたチリのワイン品評会で泡部門のベスト・チリアン・スパークリング(昨年から2年続きで)に選ばれたことは、ぶどう栽培者にも良い刺激になっていますし、わが社にとっても名誉なことだと思っています」とおっしゃっていました。 

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初夏野菜とスイスチャード 黒あわびのコリアンダー風味
 イベリコ・ベジョ-タを添えて

ワインは#5セレステ クリアンサ リベラ・デル・ドゥエロ2009
Jrコメント:ラベルの絵柄は収穫期の9月末から10月初めの夜空です。海抜900メートルのワイナリーなので、星がきれいに見えます。産地はリベラ・デル・ドゥエロ、テンプラニーリョ100%、クリアンサで、このワインは1年間樽熟成しています。

セレステ誕生のエピソード
世代の転換(父からトーレスJrへ)を示すエピソードがあったワインです!
「姉のミレイアと私はリベラ・デル・ドゥエロで赤ワインを造りたかったのですが、当初、父は乗り気ではありませんでした。そこで、ガレージ規模のワイナリーの購入を願い出て、受け入れてもらいました。この5年間で、一番成長著しいのがこのワイナリーなので、今では父も認めています」と。

リリース1か月前になっても、ワインのラベルも名前も決まっていなかった当時のことを語り始めたマクサセックさん。愛妻が彼を癒そうと、「バルコニーで夜空でも見ながらワインを飲みましょう」と誘ってくれたそうです。夜空を見ていて、突然、インスピレーションがわき、ワイン名を「セレステにしよう!」と決断。そのことを妻に話すと、せっかくロマンチックな気分に浸っていたのに、「いつも仕事のことしか考えていない!」とおこられ、「1週間口をきいてもらえなかった」とトーレスJr。土壇場でワイン名が決まり、良かったですが、これはのろけでは(笑)

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仔羊背肉のロティ 肩肉のコンフィを包んだ茄子のガレット添え
 シンプルなジュとバージンオイルの香り

ワインは#6サルモス プリオラート2010
Jrコメント:プリオラートはスレート土壌で、気候も暑いので、フルボディーの高アルコールのワインができます。10年前に100ヘクタールの畑を購入。ネーミングは1000年前からこの地に隠遁していたキリスト教の一宗派の司祭に因んでいます。

ワインは#7マス・ラ・プラナ カベルネ・ソーヴィニヨン2008
Jrコメント:マス・ラ・プラナは以前はグラン・コロナ黒ラベルと呼ばれていました。29ヘクタールの畑からとれるカベルネ・ソーヴィニヨ100%のワインで、2008年ヴィンテージは冷涼だったので、フレッシュな果実の風味や甘草のニュアンスがあります。ふくよかで骨挌あり、まだまだ熟成できるワインです。

マス・ラ・プラナに関するエピソード
このワインも世代の転換(3世代目ミゲル・トーレス・カルボさんから4世代目のトーレスさんへ)を語るに十分なワインです。トーレスさんが完成したマス・ラ・プラナを父に飲ませたところ、「おいしくない」とバッサリ。1979年に、ゴー・ミヨー誌主催で行われたパリ・ワイン・オリンピックで、ボルドーの錚々たるトップ・シャトーのワインを抑えて、『マス・ラ・プラナ1970』がカベルネ部門で優勝。その快挙の後で、再度、ワインを父に飲ませたところ、「今度はなかなかおいしい」と評価。トーレスさんの実力がトーレス家のなかで確たるものになった出来事の1つです。

先月、日本スペイン交流400周年の開幕に合わせて、皇太子がスペインを訪問しました。マドリードの王宮で行われたフェリペ皇太子夫妻主催の晩餐会で、トーレスのマス・ラ・プラナ2008が供出された由。同家にとって名誉なことでした。

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バラのアイスクリームとマカロン フレッシュフルーツの庭園仕立て

ワインは#8フロラリス・モスカテル・オロ
Jrコメント:ぶどう品種は地中海沿岸で良く育つモスカテル、甘口のアルコール強化ワインで、焼リンゴやオレンジピールのニュアンスがあります。モスカテルは中世から栽培されていた品種で長旅にも耐えるワインとして知られていました。カタルーニャ地方では親しい友人や家族と楽しんでいます。

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[ぴかぴか(新しい)]できたてのフレッシュなロゼ! 
Jrコメント:今年の3月に収穫したぶどうから造られたワインで、カベルネ・ソーヴィニヨン100%です。 産地はセントラル・ヴァレー、ワインはアロマ豊かで、ラズベリーやストロベリーのニュアンスがあり、チリのカベルネ特有の濃い色をしています。

ディナーではウエルカムドリンクとして登場していた#1サンタ・ディグナ カベルネ・ロゼ2013、南半球で一番早くリリースされるので愛称『ファースト・ロゼ』、お手頃価格1200円。今月17日(水)から出荷開始になったばかりです!

昨年のヴィンテージはカベルネのタンニンが餃子(ラー油)に良く合っていました。今年の風味は赤い果実の玉手箱! ゆえにデザート画像にあるレッドカラントやラズベリー、イチゴなどの赤系フルーツにぴったり、マカロンとの相性も◎でした!

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供出された#1から#7までのワイン、壮観です!

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プレミアムディナーも滞りなく終了、全8アイテムを前に、マクサセックCEOと三国ワインの髙栁昌之社長

トーレスJrは、栽培と醸造は偉大な父から、創造性は画家である母親からしっかり受け継いでいます。帝王学を身につけたワイン界のサラブレッド! 2002年に結婚し、現在3児の父親ですが、「トーレス家の後継ぎだよ」と言って、携帯にいれた愛息の画像を嬉しそうに見せてくれました。

南米赴任経験がある髙栁社長は、トーレスJrにきれいなスペイン語でお礼をJ述べていました。日本語の学習に励んでいる若き精鋭に負けないように、スペイン語の再学習に取り組みそうな気配の髙栁社長でした。
トーレス・ファミリー・グループと三国ワインの更なる発展を祈願しております!
貴重な機会をいただき、ありがとうございました!
  


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