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シャンパーニュ・ボランジェ アジア圏初のお披露目になったラ・グランダネ2004 [シャンパン]

ファミリー経営のシャンパンメゾン『ボランジェ社』は164haの自社畑を所有し、生産に必要なぶどうの60%を自社でまかなっています。

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輸入元のアルカンが、ボランジェ社の新輸出部長ギイ・ド・リヴォワールさんを招聘して来日セミナーを開催。セミナー開始前には、ウエルカムシャンパンとして、スペシャル・キュヴェがサービスされました。

ボランジェ社では2008年から全ボトルを鶴首のスリムな瓶型に変更しています。その第1弾がスペシャル・キュヴェ、新ボトルは市場に出ています。11月にはNVのロゼも登場する予定。ヴィンテージシャンパンについては熟成期間が長いため、新ボトルでのデビューは、まだ先になります。

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ボランジェ社の歴史について丁寧な解説がありました

メゾンにとって大事な年号
■1829年/ボランジェ社設立の年。3人の重要な人物がいました。ひとり目はアイ、キュイ、クラマンにぶどう畑を所有していたアタナス・ド・ヴィレルモン提督(海軍の軍人)。ふたり目は提督のかつての同僚のポール・ルノダンで、セラーマスター。そして、3人目がヴュルテンベルク王国のエルヴァンゲン生まれのジャック・ボランジェで、ワイン販売を担当、この3人によってボランジェ社はスタートします。

当時はドイツ語読みのボリンガーと呼ばれていました。ナイスガイだったジャック・ボランジェは提督の娘と結婚し、これを機にフランス語読みの「ボランジェ」に変わります。

■1884年/ヴィクトリア女王からロイヤルワラント(英国王室御用達)を拝受し、それ以来、歴代の王に愛用され続け、すべてのボトルにロイヤルワラントの印が入っています。

■1911年/『スペシャル・キュヴェ』という名が生まれた年。これは英語と仏語の混ざり合った言葉です。ボランジェを愛していたエドワード7世がシャンパンを所望した時に、「あのスペシャル・キュヴェを持って来て」と召使に言ったことから命名されたもので、今に至っています。

■1941年/マダムボランジェの継承。創業者と同じ名前のジャック・ボランジェがメゾンを継いでいましたが、彼の死により、マダムボランジェが後任者となります。先見の明があった彼女は、30年にわたり、同社を発展させました。イギリス市場での成功に加え、国際市場、特にアメリカでの人気に拍車をかけます。マダムボランジェが考案したR.D.は、1952年がファースト・ヴィンテージになります。

■1992年、自ら『ボランジェ憲章』を作り、シャンパンの品質の憲章を定めました。

■2012年/フランス経済・財務・産業省から「無形文化財企業(Entreprise du Patrimoine Vivant/EPV)」の認定ラベルを取得。このラベルは優れた工業、手工業のノウハウを持つフランス企業に与えられるもので、樽での醸造、AOCの規定よりも長い熟成期間、トレーサビリティを保証する最先端の装置など、製品造りにかける同社の要求水準の高さが証明されました。カルティエやエルメスなども認定されていて、シャンパン界ではボランジェが初めてです。

フランス農水省が新たに進めている環境保全農業の「環境価値重視(Haute Valeur Environnementale/HVE)」認定も取得。農業企業では2軒目という早さであり、これは環境グルネル(環境問題についての協議会)で制度が提案され、実験段階を経て、2011年6月政令により制度として整えられたもの。生物多様性、施肥、病害虫防除、水の管理の4点について厳しい指標が設けられています。


4アイテムのテイスティング
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(左から)
#1:スペシャル・キュヴェ
ブレンド比率:ピノ・ノワール60%、シャルドネ25%、ピノ・ムニエ15%
リザーヴワイン(グラン・クリュとプリミエ・クリュを樽で発酵させ、コルク栓をしてマグナムボトルで5~15年、あるいはそれ以上熟成させたもの)を使用、グラン.・クリュとプルミエ・クリュは85%以上

7年熟成させている#2のル・グランダネ2004と遜色ない色あい、これは「リザーヴワインの効果」とルヴォワールさん。香りは力強く、口中での余韻は長い、力強さとクリーミーさのバランスが秀逸

#2:ラ・グランダネ2004 (新ヴィンテージ 今冬発売予定)
ブレンド比率:ピノ・ノワール 3分の2、シャルドネ 3分の1
グラン・クリュとプルミエ・クリュ100%、コルク栓と栓止め金具(アグラフ)使用

「皆さんは国際的にもかなり早い段階でテイステイングしていますし、アジアでは一番早く飲んでいます」とルヴォワール輸出部長
ヴァニラ、トースト香、オレンジのニュアンス、重厚さあり、長期熟成型ワイン

#3:ブリュット・ロゼ
ブレンド比率:ピノ・ノワール62%、シャルドネ24%、ピノ・ムニエ14%
ヴェルズネイとアイ村にあるコート・オー・ザンファンの区画の赤ワインを5~7%使用
色調はオレンジを帯びた赤褐色、赤い果実(チェリー、木イチゴ、ラズベリー)、スパイシーさ、タンニンの要素、スペシャルキュヴェに似たニュアンス

#4:ラ・グランダネ ロゼ2004 (新ヴィンテージ)
ブレンド比率:ピノ・ノワール 3分の2、シャルドネ 3分の1
コート・オー・ザンファンの同じVTの赤ワインを5%~7%使用
16のクリュ(グラン・クリュ89%、プルミエ・クリュ11%)使用
輝きのある銅に似た色調、果実味 樽由来のスモーキーな香り、力強さとエレガントさ、長期熟成型ワイン
アジア料理(鳩肉を使った広東料理)、デザートなら赤系果実、シガ―に合わせて。
あまり冷やさずにグラス内の変化を楽しんで!!

ロゼのスタイルの基本
■リッチすぎるものは造らない
■ブレンドする赤ワインが力強いタイプなので凝縮感がある
■赤ワインの比率を多くしない(5~7%)

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ギイ・ド・リヴォワール輸出部長はとても上品な紳士でした!
ドザージュ量に関してR.D.は3g/L、それ以外は8g/Lであり、次のR.D.は2002年VTを2014年に登場予定とのことでした。

ジェームズ・ボンドとのかかわり
映画007シリーズがスクリーンに登場してから、今年で50年になります!
今までシャンパンは13作品に出ていますが、これは映画のプロデューサーと同社の株主との39年来の友情にもとづいたものです。今回、映画化50年を記念して『007限定デザインボトル ラ・グランダネ2002』がリリースされました。映画もボランジェも大好きな私は、自分へのご褒美で購入してしまいました!国内販売数量700本、希望小売価格2万円(税別)です。

新しくなったボランジェ社のサイトも要チェックです!
http://www.champagne-bollinger.com/en_UK

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