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春を意識した食材とウィリアム・フェーブルのシャブリを合わせて [ワイン]

(株)ファインズの招聘で、フランス・ブルゴーニュ地方シャブリ地区からウイリアム・フェーブル(WF)社のディディエ・セギエ醸造責任者と輸出部の西山雅己さんが来日しました。
恵比寿『魚のほね』の櫻庭基成郎シェフの料理とシャブリとのコラボレーション、および、近年ウィリアム・フェーブル社が手がけている事柄や最新ヴィンテージについて報告がありました。

[わーい(嬉しい顔)]4月5日本日刊の産経EX【ワインのこころ】もサイトにアップされました。併せてご覧ください。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120405/trd12040515490016-n1.htm

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供出ワインは5アイテム、左から順に
#1:シャブリ プルミエ・クリュ モンマン2010
#2:上同 モンテ・ド・トネール2010
#3:上同 ヴォロラン2010
#4:シャブリ グラン・クリュ コート・ド・ブーグロ2009
#5:上同 レ・クロ2009

2010年は酸味豊かな年
収穫は9月20日、春先の霜害と開花時期のミルランダージュ(花ぶるい)で、ぶどうの実は小粒になった。9月は例年よりやや冷涼ながら日照量は多く、酸味と凝縮感を備えたぶどうが収穫できた。1haあたりの収量は25~40ヘクトリットル、花ぶるいの影響で平年より3~5割減、酸味があるので10~15年待ってから飲むのがおすすめ。比較すべきヴィンテージは2007年産。瓶詰めは2011年11月に行った

2009年は太陽の年
収穫は9月14日、8月は猛暑が続き、月の後半にはぶどう果の色付きが始まった。9月に若干の雨はあったものの、日照量も多く、ボリューム感のあるぶどうになった。酸を残すため、2009年は収穫を早めた。2009年は豊かさとまろやかさがあるので早くから楽しめるヴィンテージ。グラン・クリュでも4~5年待てば飲める。レストラン向き。コート・ド・ブーグロとレ・クロはいかに酸を残すかが課題だった年。

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(右)WF社のディディエ・セギエ醸造責任者と輸出部の西山雅己さん

ウィリアム・フェーヴル社の新たな取り組み
■ぶどう畑の増加
ドメーヌ兼ネゴシアン(ぶどう栽培者から買付けてワイン造りを行う)のWF社。ドメーヌ部門が2009年に所有していたプルミエ・クリュ(1級畑)は11.9haでしたが、2010年に1.8ha増となり、合計で13.8haになりました。該当する畑はプルミエ・クリュの「モンマン」、「ヴァイヨン」、「モン・ド・ミリュ」の3つで、なかでも「モン・ド・ミリュ(0,5ha)」は同社が今まで所有していなかった新しいクリュになります。これら3つの畑は同社と長年付き合いのあった栽培者と、35年のレンタル畑契約を結んだことで実現したものです。35年という数字はドメーヌ化するためには必要な年数とされており、単にレンタルしているだけでなく、畑の改革等をしていくために要する必要年数になっています。

■有機栽培、ビオディナミについて
2006年からヴァイヨンの畑で有機栽培に取り組み、2012年にはすべてのプルミエ・クリュとグラン・クリュに拡大していく予定。2011年からはレ・プリューズとレ・クロの一部で試験的にビオディナミを開始。元気のなかったぶどう樹に勢いが出てきた由。2012年はグラン・クリュと右岸のプルミエ・クリュでさらにビオディナミの面積を増やす予定だそうです。

有機栽培の導入は 次世代、および将来を考えて、化学物質を控えることが大事という思いと、自然保護の観点から行っています。地球温暖化の好影響で有機栽培やビオディナミへの転換がしやすくなってきたことも事実。「ビオディナミの試験的な導入で、テロワールの違いがはっきりと表現され、ミネラルが強く感じられるようになってきました」とセギエさん。保守的だったシャブリの生産者も新世代の台頭により、海外研修や他のエリアに出向いての学習により、今までと違う新しい取り組みが行われるようになっているそうです。

ワイン&食のマリアージュ
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テーマは日本の春の味覚&シャブリとのコラボレーション

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春の山菜サラダ
タケノコや菜の花は#1『モンマン』や#2『モンテ・ド・トネール』と合わせて素直に美味しい印象。
#3『ヴォロラン』だと後味に上品な酸味が広がり、最後1点に集中していく感じが面白いです

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(左)白身魚(ひらめ)の昆布締め (右)まぐろの海苔醤油 オリーブオイルブラックペッパー
二皿とも合っていたのは#2『モンテ・ド・トネール』
ブラックペッパーを添えていただくと#3がいい感じ!

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(左)イベリコ豚の若布煮 (右)かじきの蕗味噌焼き (奥)食用ほおずき、奈良漬け
イベリコ豚(セクレト部位)を若布(ワカメ)でぐるぐる巻いてホイルに包んで1時間くらい火を通した料理なので、脂分がきれいに落ち、柔らかい食感が広がる一皿。グラン・クリュの#4『コート・ド・ブーグロ』と絶妙。蕗(ふき)味噌は単体だとほろ苦いのですが、ワインと合わせることで苦みが消え、まろやかに。やはり#4で! 食用ほおずきの酸がシャブリと予想外のマリア―ジュ、面白い~

セギエさんは「奈良漬けは・・・」とひとこと。欧米の方には苦手な食材だと思います。
日本人的には#2『モンテ・ド・トネール』や#3『ヴォロラン』のようなプルミエ・クリュクラスが合うと思います。

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ハマグリのサフラン仕立てスープ
ハマグリの上品なだしとシェフ好みの「ワカメとシャブリ」のバランスの良さ。
とても贅沢なのですが#5グラン・クリュ『レ・クロ』と合わせるとミネラル感がしっかり感じられます

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まぐろ丼
ピュアな酸味とエレガントさが際立つ#2プルミエ・クリュの『モンテ・ド・トネール』との相性が最高!
WF社のシャブリテイスティングでいつもこのボトルの前で立ち止まってしまうお気に入りのシャブリなんです。和食に断然おすすめできる1本ですよ!

ディアムコルクの導入
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2003年に商品化されたDIAMディアム。コルク臭を除去したコルクといわれています。コルクの粉末を二酸化炭酸で洗浄して形成します。現在、WF社では2種のディアムを使っており、「ディアム5」は長さ47mm、価格0.15ユーロ。2010年ヴィンテージから村名ワインとプルミエ・クリュにも採用。
画像はさらに上のクラスの「ディアム10」で、54mmの長さはDRCのコルクと同じです。価格は0.25ユーロ。酸素透過性が低いので、長い熟成にも耐えると同社は判断しています。2010年ヴィンテージからプルミエ・クリュ『モンテ・ド・トネール』、同『ヴォロラン』、すべてのグラン・クリュに採用。セギエさんは「ディアムの導入でコルク臭、ボトル差がなくなったのが最大のメリット」と述べていました。

ワインの入門者に必ず書いてある「シャブリと牡蠣」のマリアージュ。私は牡蠣アレルギーなので、相性チェックはできませんが、今回、櫻庭シェフがセレクトなさった春の食材とシャブリ(プルミエ・クリュとグラン・クリュ)5アイテムとのマリアージュ体験は勉強になりました。このような機会を与えてくださった(株)ファインズの羽根田裕子さん、清塚朋子さん、そして森本明子さん
ありがとうございました!
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コメント 3

gillman

どの食材も春の息吹に溢れていそうで、いただくと体中に力がみなぎるようですね。やっぱりシャブリが似合いますか。
順調に行けば明後日からドイツです。まだちょっと早いけどシュパーゲルと久々のリースリングが楽しみです。もちろんビールも。
by gillman (2012-04-04 13:43) 

fumiko

早々にniceをくださった
ほりけんさん、うーさん、ChinchikoPapaさん、nikiさん、xml_xslさん
ありがとうございました!!

gillmanさん、ありがとうございます!
あなどれないシャブリ、そう思います。
ドイツ、楽しんできてください。
gillmanさんならではのブログも楽しみです。
by fumiko (2012-04-04 23:33) 

hako

これはまた、本格的なマリアージュ実験ですね。
贅沢な催しです。
by hako (2012-04-15 10:36) 

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