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スペイン地中海地方コステル・デル・セグレにある『トーマス・クシネ』 [スペインリポート]

2日~6日までは6年ぶりのスペインでした。3日から現地のボデガ訪問中のワイナリー和泉屋新井社長に合流。ここではバルセロナ在住の佐武祐子さんとの1年越しの約束、カレッジの課外研修、取材の3つを同時に実現することができました。新井社長のスペインブログが地中海地方に入ったので、私も追従していきます。

最初の訪問地は地中海地方のDOコステルス・デル・セグレ。ここはセグレ川流域にあり、近年スペインの技術革新の成果を生かした最前線のワイン産地と言われています。

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トーマス・クシネさんは2003年から新プロジェクトをスタートしました。この地を周知する第一人者であり、所有する畑は全部で30haです。「コステルス・デル・セグレはフィロキセラ以前は10万haもの広さで、現在は4500ha、残っていた7つほどの区画がDOとして認められています。新しい産地なので適植と思われるぶどうは外来種を含めて様々なものを認めようとする動きがあります。個性を発揮しているのは伝統品種のマカベオで、あと3~5年すれば適植もわかってくるでしょう」と解説。

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購入した畑には1917年と1950年代に植樹したマカベオがあり、画像のマカベオは1917年のものです。赤いリボンはマサル・セレクションをしている樹の目印で、現在1本ずつ調査しているそうです。味わいにさらに深みのあるマカベオができますね、魅力です!

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メルロ畑! 山からの好影響を受けています。
栽培中の他の品種はテンプラニーリョ、ガルナッチャ、カリニェナ、モナストレル(温暖化、気候変化の調査にも活用)、マルスラン、アルバリーニョ、マカベオ、CS、CF、シラー、シャルドネ、SB、リースリング、ミュラー・トゥルガウ等

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マルスランの畑で、奥にある何も植えていない畑にはマカベオを植える予定とのこと
メルロ畑と至近距離ながら、明確に微気候の違いを感じました!

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梱包されたワインの箱は黒色ムードで大人の雰囲気
これは盗難防止のため、ワインであることがわからないようにしているそうです

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トヌリエ(樽メーカー)はスギャン・モロー、ナダリー、フランスワ・フレール、デントスの4社で、バレルトライアルには多くの時間をかけています。

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1917年のマカベオのバレルテイスティング、上質なミネラル感が魅力的でした!

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こころ惹かれた『マカブー2010 フィンカ ラコンス』について、クシネさんは「標高690mなので、ぶどうはゆっくり熟します。そのためAlcも高くならず、酸味も綺麗に出ます。1917年のマカベオは全部使うので1955年との比率は30%対70%、発酵はステンレスと樽(225L&500L)を半々」と。

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親日家のクシネさんは東関東大震災を憂い、ラベルに震災への思いを書いて寄付活動を

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カタルニア人には欠かせないコカ、パプリカの赤が効いています。カタルニア語で『野うさぎ』を意味するワインは、テンプラニーリョ、メルロ、CS、サムソ、シラーの混醸で、軽快な口当たりと13.6度というAlcが好印象

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現地でいただく食材は本当に美味しいです!

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クシネさんの旧知の友が描いているモダンなラベル、細部へのこだわりを感じます。

2011年は今までにない早期収穫で8月末から始まり、白ぶどうは9月の第1週目で終わった由。ただし、樹齢の古いマカベオだけは例年通リ! 最後の収穫はリースリング(通常は10月中旬)でした。今年は例年の40%減、厳しいです

スペインの素晴らしさは、やはり贅沢なまでに多い固有品種ですよね。
マカベオから生まれたワインの味わい、ホント、イイですね♪
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