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グラスから伝わる清涼感、アルザス&ロワールの心ひかれるワインたち [来日したワイン生産者&関係者]

輸入元(株)アルカンがフランスのシャトー・ド・トラシィ(ロワール地方)、クーリー・デュテイユ(ロワール地方)、ドメーヌ・ポール・ブランク(アルザス地方)の3生産者を招聘し、プレスランチョン@グランドハイアット東京 フレンチキッチンを行いました。

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ライムの緑がアルザス&ロワールの爽やかなイメージに良く似合います!

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ドメーヌ・ポール・ブランクのオーナー、フィリップ・ブランクさんは身長が2m近くあります。
その柔和な笑顔は中村雅俊似、目の雰囲気かな(笑)
フィリップさんの第一声は「ノー・ネクタイですが、ご容赦ください」、丁寧な方です!

同ドメーヌとアルカンは1991年以来のお付き合いなので今年で20年!「ガストロノミーのためのワインを造ること、アルザスの多様な個性を楽しんでいただきたい」とフィリップさん

今年6月初上陸のクレマン・ダルザス、超おすすめ!
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(左)5月23日にSOPEXA主催のアルザス&ローヌ試飲会があり、そこでポール・ブランクの『クレマン・ダルザス2007』を発見、その時に「6月中旬から2008年が日本初上陸します」との情報をいただきました!(右)そして、7月のプレスランチョンに登場した待望のクレマン・ダルザス2008、納得価格2,900円です!

ぶどう品種はピノ・ノワール、ピノ・ブラン、ピノ・グリで、ラベルには表記していませんが、“ローズの花びら”という名がついています。花崗岩質(繊細さ&苦味)、砂利質(芳醇さ&白系果実)、粘土質(コクとボディ)の3土壌から生まれたぶどうと、石灰質土壌のピノ・ノワール(若樹)も使用しているとのこと。ブレンドは醸造責任者のフレデリック・ブランクが行っています。

アルザス地方のクレマンの生産量は全体の20%で、近年徐々に増えています。実はこのクレマン、ノン・ドザージュ(ノン・ドゼ)で糖分の添加はゼロ。フィリップさんは「消費者の趣向に合わせて造っています。ノン・ドゼはベースになるワインやぶどうの酸がとても大事、どのような欠点も許されません」と強調していました。

フランスにおけるノン・ドゼについてフィリップさんは「ノン・ドゼはフランス国内ではまだトレンドではありませんが、美食家やワイン愛好家には理解されています。テロワールを反映した果実味を感じて欲しいのでノン・ドゼにしています」とコメント。

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夏野菜のタルトと合わせて
クレマン・ダルザス2008は軽やかで攻撃的な面が全くないクリーミーな味わい
燻した魚やグリルした肉にも合います。

稀少価値のシノン・ブラン!
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1987年からクーリー・デュテイユで栽培家として活動しているクリストフ・セルジュさん
クーリー・デュテイユ家とChペトリュス(ポムロール)のムエックス家とは従兄弟(いとこ)同士の関係にあり、カベルネ・フランの苗木を交換してさまざまな栽培実験を繰り返しているとの話もありました。

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クーリー・デュテイユ シノン・ブラン・レ・シャントゥー2009

シノンの赤は88%、ロゼは10%、白は2%という比率なので、ブランはとても珍しく貴重なワインです。ぶどう品種はシュナン・ブラン、ミネラル感やピュアさを出すためには石灰岩質土壌が必須。ロワール地方全体で石灰岩質はわずか24haで、うち5haをクーリー・デュテイユ家が所有。ぶどう栽培はリュット・レゾネ、低収量、平均樹齢は42年で最古のぶどう樹は65年、テロワールを尊重&反映させたワイン造りは醸造責任者のアルノー・クーリー・デュテイユさんが担当。シノン・ブラン2009は残糖3g/L(AOCの規定は4g/L)の白い花や果実を連想させるワイン、相性の良い料理は魚介類や甲殻類(カニ、エビ)、アスパラガス。ラベルの絵柄は、「11世紀にシノンの教会の入口で聖ルアンが病人に白ワインを与えたところ病人が回復したという伝説」を基にしたもの。
クリストフさんいわく「気分が沈んだ時にシノン・ブラン・レ・シャントゥーを飲んでください!」 

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ノルウェー産サーモンとウナギのテリーヌ ソースオロール
  インゲン豆とサマートリュフのサラダと合わせて

初来日したシャトー・ド・トラシィのアンリ・ダセイ伯爵
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おおらかで笑い方も独特、マイペースのおっとりしたお人柄!

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シャトー・ド・トラシー2009

2009年は暑い年だったので、ワインはフレッシュ&リッチ。土壌はシレックス(ダイナミックでストレートな酒質)と粘土&石灰(ミネラル感がありクリーミーな酒質)の2タイプでそれらをブレンド。毎年同じ比率ではないのですが、理想的なのは50vs50とか。ワインが開き切っていないと硬くて厳しいものがあるため、酸と触れ合わせることが重要。2009年にはスミレや白い花の要素を感じます。

31haの 区画(15~20)に分けて醸造を行い、ベストなキュヴェをシャトー・ド・トラシーに使用。ボルドー大学のデュブルデュ教授もワインコンサルタントとして参入しています。栽培面積30 haのうち、18~20haがシャトー・ド・トラシーの畑で、残りがマドモワゼル・ド・テ(うち一部は日本未入荷のオート・ダンシテの畑)
 
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サンモールのパートブリュック包み メスクランとサマートリュフの香りと合わせて

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ドメーヌ・ポール・ブランク シュロスベルグ・グランクリュ・リースリング2007

ぶどうは花崗岩質の土壌から収穫したリースリング。双方の相性はとても良く、豊かなアロマや奥行きのある酸が特徴。また「グランクリュ畑だとテロワールを最大に表現することができます」とフィリップさん。一方、石灰岩土壌で育ったリースリングはぶどう本来の良さはなく、味わいやミネラル感だけが特出してしまうとのこと。

ちなみにアルザス地方の各土壌の特徴をみると、花崗岩はスモーキーさ&濃厚さ、砂岩は溌剌さ、石灰岩は複雑味、粘土は凝縮感、火山土壌はスモーキーさ、シストはリッチ&苦味。アルザスはぶどう品種と土壌由来の個性を反映していろいろな表現ができるワイン産地です。
 
「ワインが生きていることを感じて欲しい」とボトルから直接サービスされたワイン(温度8度)※1と1時間30分前にデキャンターをして空気と接触させたワイン(温度10~12度)※2を試飲。4年経過しているワインの比較試飲はフィリップさんいわく「※1はボトル自体まだ閉じた印象。※2は保湿クリームを塗った時のようにどんどん滑らかさが出てきます」と。

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舌平目のデュクレレ プテイオニオン マッシュルーム トマトコンフィと合わせて

記憶に残るワインを造りたい!
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クーリー・デュテイュ シノン・クロ・デ・レコー2007

欧州史のなかで600年にわたって重要な位置を占めていた場所がロワール地方のシノン。ぶどう樹は修道士たちによって植樹されました。シノン城のすぐ裏手、中世の城砦の中にあるクロ・ド・レコーの畑は標高78m、真南向きで立地条件に恵まれています。カベルネ・フランは1154年ダキテーヌによってボルドーからもたらされた由。ワイン名のエコーは城壁にあたってはねかえってくる“こだま”に由来。栽培面積20haのうち、13haにぶどう樹が植え付けられていて平均樹齢は53年、最古の樹は87年!2007年ヴィンテージ(新樽率10%)は総生産量27000本、今飲んでも美味しく、10年くらい熟成が楽しめます。現在セラーにある最古のヴィンテージは1921年、最良年なら40年~50年の熟成は可能とのこと。

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秋田こまちポークのバスク風 ナチュラルジュと合わせて

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造り手の人柄が滲み出ているワイン、皆さんの素直な笑顔はワイン同様、本当に素敵でした!

ワインについての読者からのお問い合わせ先は(株)アルカン ワイン営業部まで
電話03-3664-6591
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gillman

うーん、自然を相手にしている人は皆良い顔をしているなぁ。
by gillman (2011-07-31 12:00) 

fumiko

gillmanさん、そう思いますよね。
いつも撮らせていただくときは、「ここ(レンズ)を見て、最高の笑顔で」
と話しかけてから作業をしていますが、
その時の皆様は本当に“素”の状態なので、
本心が見えるんです。撮影者に心を許して下さっているお顔。
な~んて自負しております(笑)

ほりけんさん、即nice、ありがとうございました!

tsworkingさん、ありがとうございました♪

ChinchikoPapaさん、ありがとうございました!

グランマぴよさん、チェックありがとうございました!

ぼんぼちぼちぼちさん、独自の世界、面白いです♪

winoさん&にょにょさん、いつもありがとうございます♪

shin.sionさん、nice、ありがとうございました!

vientre-dolorさん、ありがとうございました!

by fumiko (2011-08-02 01:34) 

yan

ワインは当然のことながら、写真の中のお料理もおいしそうですね。
すいません、ワインに詳しくないので、つい料理に目がいってしましました。(笑)
by yan (2011-08-03 22:50) 

fumiko

BOBさん、チェックありがとうございます!

yanさん、お褒めいただき、ありがとうございました!
ブログで五感を刺激できればホント本望です。

suzuranさん、niceありがとうございました!

by fumiko (2011-08-06 00:22) 

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