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『岩の原葡萄園』創業120年記念のテイスティングとディナー@帝国ホテル [ワイン]

雪深い新潟に『岩の原葡萄園』を立ち上げた川上善兵衛
日本のワイン造りの歴史は明治初期まで遡ることができます。
明治元年、越後高田に15万坪(50ha)の土地を所有する大地主の6代目として生まれた川上善兵衛(以後善兵衛)は、明治23年(1890年)、自邸の庭園を壊して岩の原葡萄園と名付け、ぶどう栽培の準備を始めます。当初は欧州系品種を使い、雪害対策を考えた竹の棚や剪定の仕方等、様々な工夫をこらしてワイン造りに挑戦しますが、十分な成果は得らず、惨憺たる状態が続きます。やがて彼はぶどう造りに成功するためには日本の風土に合った品種の改良に取り組むべきとの結論に達し、一万種を超える品種改良を手がけていきます。
その結果、優良品種22種を世に送り出す功績を残しました。

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新潟の名士であり、勝海舟とも交流のあった家柄だったことから、ぶどうとワイン造りの情報を得ることができた善兵衛ですが、品種改良を進めていくうちに、私財のほとんどを失ってしまったそうです。そのような中、本格的ワイン造りに執心している善兵衛のうわさを聞いていた寿屋(現サントリー)の鳥井信治郎が資金援助を申し出てきたことで、昭和9年(1934年)、『寿屋葡萄園』が設立され、両社のつながりができました。

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善兵衛の業績を語る坂田社長(中央)、上村醸造技術長(右)、建入栽培技術長

8月30日に岩の原葡萄園120周年を記念したテイスティングとディナーが開催され、テイスティングセミナーでは7種類のワインが供出されました。

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2010年5月15日初版 『越後えびかずら維新』
えびかずらとは“ぶどうの日本古名”
発行:(株)小学館
著者:小関智弘
定価:1,400円+税



ディナーに登場したワイン&料理は・・・
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ブラン・ド・ブラン ローズ・シオター(ベーリー×シャスラ・シーター)100%
ドザージュ添加なし、甘辛表示はブリュット・ナチュール(残糖は1g/L)
2009年冬に瓶詰して10ヶ月、動瓶&滓抜き等すべて手作業、実生産2000本
気泡も細かく、日向夏のような和風柑橘系果実の香り、味わい爽やか

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鯒(こち)の酢橘マリネ からすみ プースを添えて

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マスカット・ベーリーA2008
「白身の鯒と合うかしら」と思って合わせてびっくり、素材の新鮮さも手伝って違和感なし!

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毛蟹のバヴァロワとジュレ
黒いジュレはイカ墨、光沢ある黒色! それをスプーンですくってみると中から毛蟹の身の白が!
ベーリーAとの相性は・・・ムムッ、少し生臭みが~

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ヘリテージ2008 
テイスティングセミナーにも出ましたが、2008年は酸味と果実味のバランス良好

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バスク地方の静物画 ~乳飲み仔羊とフォアグラのロースト、チェリー、オッソ・イラティ、シピロン~
仔羊の中に入っていたフォアグラのペーストと下のブラック・クイーンの酸がとても良いハーモニー

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ブラック・クイーン2007  豊かな果実味、しっかりした酸が長く続くワイン

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コンテがどの赤ワインともうまく寄り添っていたような~
お皿の奥に見えるアプリコットの砂糖漬けがレッド・ミルレンニューム2009と絶妙の相性

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ロゼマスカット・ベーリーA(ベーリー×マスカット・ハンブルグ)100%
ドザージュ添加なし、甘辛表示はブリュット・ナチュール(残糖は1g/L)
2009年冬に瓶詰して10ヶ月、動瓶&滓抜き等すべて手作業、実生産2000本
ベースワインは2008年、きれいなロゼ、夏を感じながら飲みたい泡です!

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レッド・ミルレンニューム2009(未詳1号×ミルレンニューム)100%
マイナス20度で凍らせ、解凍の段階で糖度の高いぶどうを選んで仕込む
黄金色、ライチや夏みかんの香り、上品な酸、余韻の甘酢っぱさがチャーミング

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アーティストの画材 ~パレット、鉛筆、絵の具~

帝国ホテルも岩の原葡萄園と同じく今年120周年を迎えました。
両社のますますの発展を願っております♪
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hako

立派な料理に負けないワイン、良いですね。
新潟に行く機会が有ったら、(いつも日本酒に目がいってしまうので、)
今度は、ワインも買ってみます。
by hako (2010-09-04 07:50) 

miche

いつも楽しみにしています。先日はご訪問&niceありがとうございました。パソコン不調のためお礼が遅くなり申し訳ありません。今回の記事も大変勉強になりました。これからも寄らせていただきます。
by miche (2010-09-06 08:50) 

グランマ・ぴよ

fumikoさま~~♪

この声 お届けできてましょうか~~???
ペンとカメラで  腕まくり!!
しかも あくまで ご優雅に。

兎に角 御身 ご大切に。  グランマ・ぴよ拝

by グランマ・ぴよ (2010-09-07 12:03) 

fumiko

hakoさん、当方、ただいま、シャンパーニュ経由ブルゴーニュ(ボーヌ泊)です。
チェック&コメント、ありがとうございました!
PCの電波がつかめずにおりましたが、昨日無事接続、ブログのチェックもできました。
新潟県にある岩の原葡萄園、是非とも覗いてくださ~い


micheさん、当方も旅の間PC接続ならずだったため、レスが遅れました。
>今回の記事も大変勉強になりました。これからも寄らせていただきます。
ありがとうございます! お役に立つ情報をお伝えしたいです!
今後ともよろしく、です!!


グランマ・ぴよ様
お気遣い、ありがとうございま~す!!
ラッキーカラーの熊ちゃんがガード役をしてくれていますよ(笑)
ぴよ様パワーをここフランスでも感じております、感謝です。
by fumiko (2010-09-09 08:00) 

hako

なんと素晴らしい処に、行ってらしたのですね。
無事のご帰還、何よりです。
by hako (2010-09-16 21:29) 

fumiko

hakoさん、チェック&コメント、ありがとうございました。
いつも後ろ髪ひかれる思いで、帰路に(笑)
by fumiko (2010-09-16 23:03) 

yuka

日本におけるワインの歴史って結構長いのですもんね。明治神宮にお正月お参りに行くと名だたるブルゴーニュの樽が!!ルロワもDRCも!とびっくりしました。
by yuka (2010-09-19 14:09) 

kowa

ワインの父も凄いと思いながら、料理のすばらしさについ目が奪われてしまいました。しかし凄い会だったようですね・・・
by kowa (2010-10-06 00:09) 

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