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冬期シャンパン講座の〆はメゾン・ドラピエで [オープンカレッジ]

ピノ・ノワール本来の純粋さを求めるシャンパン・メゾン『ドラピエ』
講座当日は冬が逆戻りしたような寒さだったのですが、教室内は講座生の熱気でホカホカでした!
このような日は黒ぶどう主体のシャンパンが似合いますよね。〆のメゾンに選んだドラピエはシャンパーニュ地方南端ウルヴィルに本拠地があり、黒ぶどう、特にピノ・ノワールの純粋さを求める生産者。“自然なワイン造り”を旨とする有機栽培を実践しており、どのアイテムも生地がとても綺麗だと感じました。

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第1フライト
#1:ドラピエ カルト・ブランシュ・ブリュット
ぶどう品種:ピノ・ノワール75%、ピノ・ムニエ15%、シャルドネ10%、ドザージュ9g/L
メゾンの顔のNV。黒系ぶどうの比率が多いので食事全般に合わせて楽しめるタイプ

#2:ロベール・モンキュイ グラン・クリュ・メニル・シュル・オジェ・ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:シャルドネ100%、ドザージュ:12g/L
メニルに本拠地があるレコルタン・マニピュラン(RM)。生産するキュヴェはすべてメニル村100%で、柑橘系果実の爽やかさを感じさせるテイスト、繊細でスマートな印象。メゾン情報によるとビルカール・サルモンやルイ・ロデレールにぶどうを供給している由

#3:ドラピエ キュベ・キャトゥール・ブラン・ド・ブラン
ぶどう品種:プティ・メリエ、アルヴァンヌ、ブラン・ブライ(ピノ・ブラン)、シャルドネ各25%ずつ
ドザージュ:8g/Lで、25年間オーク樽で寝かせた秘伝の自家製リキュールを添加。丁寧な造りのシャンパンで、秘伝のリキュールが効いています。いつも飲み慣れているシャンパンの味わいと似ているものの、第1香とアフターの余韻が微妙に違う印象。シャンパーニュ地方の白ぶどうの雄シャルドネに古代品種をブレンドしたタイプ。
印の古代品種については以下のブログのピンク字をご参考に
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2009-02-20

#4:ドラピエ ブリュット・ナチュール
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:糖分の添加なし(ぶどう本来の残糖2g/L含む)
ノン・ドザージュのシャンパンは特に生地が命、これは今まで多くのノン・ドザージュを試飲してきた結論なのですが、その点から言っても当日試飲したドラピエのアイテムの中で一番のお気に入りがコレ。ピノ・ノワールの本領発揮、ピュアな印象です。

特別フライトは
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#5:ドラピエ キュヴェ・シャルル・ド・ゴール2002
ぶどう品種:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%、ドザージュ:9g/L
フランスの高名な人物シャルル・ド・ゴールの名を冠した逸品。肖像画が描かれたボトルは1990年、彼の兵役50周年の祝典を記念して製造・発売されたそうです。口中をさっぱりさせるミネラル感豊かな味わいは食事にぴったり。

#5に関しては予想外の事態が発生して・・・3年以上にわたるシャンパン編で初めての出来事! できれば出会いたくなかったブショネ(コルク臭)です。供出前に2本を味見して明らかな違いを感じたので、特別フライトとして講座生には各1本ずつを比較試飲してもらいました。ちょうど桜チップで燻したスモークサーモンを用意していたのですが、これが予想以上に役に立って。同じシャンパンなのに、「ブショネだと味覚がここまで違うか」という見事な証明になりました。正常なボトルは黒ぶどうの重厚さとミネラル感が際立っていて旨味があり、サーモンとの相性もグッドでした。一方の欠陥ボトルはまずカビ臭さが前面に出て、味わいは平坦、苦味が際立ち、サーモンも生臭くてたいへん~。

ブショネはワイン界を悩ませている深刻な問題です。何度言っても改善が見られないポルトガルのコルク業者と喧嘩して、ワイン栓をコルクからスクリューキャップに替えた著名生産者が結構います。
ブショネについては>>>http://www.asahi.com/food/column/wine_saijiki/TKY200707240141.html




第3フライトではセニエ法のロゼを比較
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#6:ドラピエ ロゼ
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:10g/L

#7:デュヴァル・ルロワ ロゼ・ド・セニエ
ぶどう品種:ピノ・ノワール100%、ドザージュ:11.25g/L
昨年3月に訪問させていただいたデュバル・ルロワの自慢のロゼはふくらみのある味わい。

ドザージュ量は#7のほうが1.25g多いだけですが、#6を甘いと感じた講座生が多かったように思います。微妙な差は#6→#7、#7→#6の順で何度か試飲することでわずかなドライさを感じ取ることができます。マリアージュに関しては、桜チップのサーモンと相性が良かったのはドラピエ、デュバル・ルロワと合わせた時に若干の生臭さを感じたのは鉄分??

セニエ製法については尊敬するメルシャンのワインメーカー安蔵光弘氏から以前頂いた解説がありますので再度チェック願います! 
>>>http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2006-09-02

後日談、欠陥ワインに遭遇したら
品種別講座では過去に2~3回ブショネ体験をしていますが、シャンパン編の教材では初めて!
2005年のシャンパーニュ騎士団シュヴァリエ受章式のガラ・パーティーで、手にしたグラスのシャンパン(キュヴェ・ドン・ペリニヨンでした)がブショネだったのですが、その時以来です。教材でブショネを学習する場合、ニオイは薬品で簡単に作れますが、味を再現させるのは難しいです。

講座の流れを輸入元テラヴェールの担当TANABE様にお話ししたところ、彼から「代替品をお出しします」との提案がありました。今までブショネを感知できなかった講座生から「先生、初めてブショネがわかりました」という学習冥利な声も出ていたので、お申し出に関しては丁寧にお断りしたのですが、「残念なイメージを残したくないので」という再度のお言葉を受け、「それでは」ということで頂くことにしました。次回、春期講座で再度教材としてテイスティングさせていただきます。

もし、テイスティングしたワインにブショネ等の欠陥臭があるとお感じになった場合は、ボトルの裏貼りにある輸入元に即、連絡をすることをお薦めします。ただし、必ず、ご自身が“欠陥ワインと判断したボトルをきちんと打栓して先方に送る、あるいは持参するという形”で!! 先方がワインを調査し、問題ありと思えば、代替品を出していただくことは可能です。
今回のテラヴェール様の迅速な対応には、我々一同、感謝しております。ありがとうございました♪
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hako

豪華でもあり、科学的もある講座の様子が伝わってきます。
ドラピエ、モンキュイ、デュヴァル・ルロアと名前を覚えました。
by hako (2010-03-28 08:40) 

uge

ドラピエのカルト・ブランシュはCLUB ANAのシャンパンとして供されていますね。何度か飲んだことあるのでブラインドは大丈夫かも(笑)。

ブショネは講座で試飲した(?)経験が役立っているのか、これ怪しいなというところまではわかるようになりました。カビ、埃、湿った部屋にある箪笥の臭いでしょうか。
by uge (2010-03-28 14:11) 

fumiko

ほりけん様
再生した貴ブログもほりけんさんのご人徳で更に快調、快走ですね♪
ステキなことです。

よしだ様
はじめまして、チェックありがとうございました!

hakoさん、ありがとうございます! 
拙ブログの掲載内容が永久保存版になるように、
最新、最善の情報を盛り込んでいきたいと思っています。
覚えていただきたいメゾンはまだまだ、たくさんありますよ~(笑)


今日はugeさん馴染みのメンバーと砧公園まで行ってきました♪
桜の下で開けたシャンパンは・・・10本! 壮観でしたよ!!
で・・・自慢のご子息の第1志望合格のことも伺いました。
おめでとうございます、素晴らしいですね!!!

嗅覚によるブショネのイメージはそうですね。
さらに味見の段階で果実味がなく、平坦で、雑味を感じるようであれば、
ブショネと判断できます。
正常なワインと比較試飲すれば端的にその違いがわかるのですけどね。


kojiさん、3月もあと少しです、頑張って~♪
by fumiko (2010-03-29 00:31) 

Idopenguin

ダメージを受けていたキュヴェ・シャルル・ド・ゴールは香りを嗅いだ瞬間、すぐに、カビくさいニオイがして変だなと思いました。飲んだ後、すぐには感じないものの、鼻腔を抜ける際に、嫌なニオイを感じました。
シャンパンでは初めての経験でしたので、怪我の功名といいますか、良い体験でむしろ感謝しております。

今回出たメゾンでは、NVでは混醸よりむしろ、BdeB、BdeNのほうが自分としては 好きな味わいで、特にBdeNは、ノン・ドザージュにもかかわらず木目細かな甘みと舌触りを感じて好きになりました。
ロゼは、6のほうが7に比べ色的に濃いのでてっきり甘いのかなと思ったのですが、さにあらず、泡の舌触りがドライな印象で、一方の7は酸味も甘みもバランスが取れてい、飲み込む時に渋みを少々感じました。
これからも深遠なるワインの世界に、どうぞお誘いください。
by Idopenguin (2010-03-29 12:14) 

fumiko

Idopenguin様
ご丁寧なコメント、ありがとうございました、嬉しいです♪
気がつけば2時間があっという間に過ぎていましたね。
皆さんの嗅覚もかなり敏感になってきたように感じます。
これからも大いに刺激を与えていきたいです、頑張ります!!
昨日は、砧公園にシャンパン持参でお花見に行ってきました。
私は私的にストックしていたシャルル・ド・ゴールを持ち込んだのですが、
健全な状態でまず安堵。包容力のある味わいが魅力でした。

vientre-dolor様
はじめまして、チェック、嬉しく思います。ありがとうございました♪

kakasisannpo様、拙ブログ訪問、感謝です!!
花を捉える眼がとても優しいですね。
by fumiko (2010-03-29 18:53) 

shiomi

今まで言われてみれば...というのはあっても、言われる前にブショネを認識できたのは初めてでした(もちろん比較対象があったからですが)。
キュヴェ・シャルル・ド・ゴールの健全な方は今回のドラピエの中で一番フルーティに感じていたので、よけいにブショネの影響がはっきりわかったのかもしれません。
もしワインを開けてみて「美味しくないな」と思った時に、そのボトルがブショネだと分かっていればもう一回他のボトルを試してみようと思いますし、ブショネではないのに不味いと思えばその銘柄はもう次から飲むのはやめようと思うに違いありません。
でも一般の人がブショネが分かるようになるのは難しいですよね。
こういう講座やスクールで運良く勉強できることはあっても、レストランでブショネのちゃんと分かるソムリエがいれば客に出されることはないですから、身近に分かる人がいない限り知らないままです。

先日の花見にも先生がキュヴェ・シャルル・ド・ゴールを持ってきてくださいましたが、供出温度よりも気温の方が低いのではという極寒の中でも豪華な香りが立っていてフルーティでボリュームのあるシャンパンだと確認できました。
色の淡いロゼに近いぐらいの濃い色も魅力的ですよね。
次回の講座でもまた飲めるのかと思うと楽しみです!
by shiomi (2010-03-30 11:57) 

fumiko

shiomi-san, 気合の入ったコメントありがとうございました!!
ブログにも書いたように、ブショネのニオイは薬品で作れるので、
講座等でも学べますが、味わいの再現は難しいので、
今回のように比較対象があれば百聞は一見に如かず、ですね。
でもブショネ感知に関しては、
一般の方だけがわからない、という問題でもないような(意味深)

素晴らしいワイン、あるいはシャンパンなのに、飲み手がブショネに
気付かずにワインを飲み、「まずい!」という印象のまま、ワイン嫌い
になってしまう可能性も考えられるので、私はそれを危惧しています。
そのためにも、地道なワイン伝道が必要ですね。
レストランでも、講座でも、ワインのあるあらゆる場での伝道が。

お花見ではキュヴェ・シャルル・ド・ゴールをボランジェの前に出しま
したが、最後でも良かったかもね。4月の講座で改めて味わいましょう♪


code-a様、チェックありがとうございました!
by fumiko (2010-03-31 00:22) 

fumiko

YUTAKAさん、チェックありがとうございました♪
by fumiko (2010-04-05 00:14) 

カオール

たまたま、今朝通販で買って届いたのが、BRUT NATUREでした。
おかげで、ブログにたどり着けました!
飲むのが楽しみです!!!
by カオール (2011-03-10 09:58) 

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