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“食の宝庫”長野で楽しむサントリー信州シリーズと料理とのマリアージュ [料理・グルメ]

今回は素敵なオーベルジュをご紹介します。避暑や行楽のシーズンに恰好のスポットです!
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7月の3連休の最終日、新宿から「スーパーあずさ」で茅野へ。そこから車でさらに30分。
蓼科中央高原にあるオーベルジュ・フランス料理店エスポワール に行ってきました。

サントリーワインインターナショナル(株)塩尻ワイナリーの信州シリーズ「シャルドネ」、「メルロ」に、新しく「マスカット・べーリーA(以後べーリーA)」が仲間入りしたので、そのお披露目の場所として選ばれたのが同店だったのです。テイスティングセミナーの後には、藤木徳彦シェフの料理とサントリー信州シリーズのワインを楽しむ“おいしい時間”もあって・・・ラッキー[exclamation×2]

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信州の豊かな食材に魅せられ、地元の生産者との交流を大事にしながら、地産地消を推し進める仕事人藤木シェフ。キノコは秋のものと思われがちですが、夏の天然キノコもあるそうです。

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4人掛けの定席には、正面に村井仁長野県知事、そのお隣には日本ワインの旗振り役山本博先生、さらに私のお隣にはサントリーの櫻井鋼専務が! 重鎮お三方からの貴重なお話も大変参考になりました。

後日、村井知事から送っていただいた『ザガットサーベイ 長野のレストラン&ホテル』のご紹介は
>>>http://www.non-solo-vino.net/topics.html

サントリー塩尻ワイナリー は1936年、壽屋の「塩尻工場」として稼動、「赤玉」の生産拠点になっていましたが、時を経た現在、ワイン醸造から瓶詰めまで一貫した生産体制を整え、国際コンクールで毎年入賞を果たす上質ワインを産出するワイナリーとして存在感を示しています。

櫻井専務は「弊社はサントリーグループの元で4月から国内外のワインを統合する新会社として発足、活動しています。自社ワイナリー(長野、山梨、新潟)のワインは何にも増して重要なので、これを機に今まで以上にワインの品質向上に向け頑張る所存です。“日本品質から世界品質に”をスローガンに掲げ、邁進してまいります」とあいさつ。
当日供出されたワインは塩尻ワイナリー信州シリーズで画像左から

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#1:マスカット・ベーリーA2008
長野県原産地呼称管理制度認定ワイン。2009年6月16日新発売、生産本数3,323本、希望小売価格2,100円、ぶどうは塩尻市産100%。深みのあるガーネット色、熟したイチゴやベリー系果実の風味に加え、ハーブ系のニュアンスがあり、アフターに感じる奇麗な酸味が心地良い

#2:(特別醸造品)マスカット・ベーリーA 樽熟成2005
2005年はグッドヴィンテージ。完熟ぶどうをフレンチオークで3年熟成させたワイン

#3:(特別醸造品)和樽仕込 マスカット・ベーリーA2003
北海道産水楢(なら)をワイン用に製材。270~350度で20分程度焼いた和樽でキャラメルのような香りが特徴。樽に由来する甘い香りとべーリーAのジャムのような香りが絡み合った独特のスタイル。2003年ヴィンテージのみ生産

#4:信州シャルドネ2007
長野県原産地呼称管理制度認定ワイン。2009年6月16日新ヴィンテージ発売、生産本数2,535本、希望小売価格3,007円、ぶどうは池田町産78%+千曲市産22%。グリーンがかった淡いイエローの色調、少し熟したアプリコットや白桃、メロンなどの果実香と樽由来のヴァニラ、ロースト香もあり、口中での印象もまろやか。温度を上げて飲むことで、蜂蜜のような味わい

#5:信州メルロ2006
長野県原産地呼称管理制度認定ワイン。2009年4月新ヴィンテージ発売、生産本数4,159本、希望小売価格3,007円、ぶどうは塩尻市産100%。紫がかった濃いガーネット、ブルーベリー&カシスなどの黒系果実、ユーカリ&黒コショウなどのスパイス香が相まった凝縮感のあるワイン

#6:(特別醸造品)桔梗ヶ原メルロ2002
桔梗ケ原地区産メルロ100%、長野を代表する品種から造られたポテンシャルの高いワイン

他には「(樽熟成中の)桔梗ヶ原メルロ2007」、「(樽熟成中の)岩垂原メルロ2007」を試飲

ここからワインに合わせて藤木シェフが考えてくださったこだわりメニューをご紹介します。
ガラス越しに差し込む光がテーブル上で微妙に変化してくる様子も趣があって良かったです。
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1)塩尻市産:冷たいトマトコンフィー
#1「ベーリーA2008」は野菜との相性が良く、キャンディーの様な風味があるので、果実味と若干の青々しさを備えたトマトの旨味をより強調

2)東御市産:シナノクルミとサフォークのタルタル+小諸布引き青イチゴのグレック添え
信州大学農学部の農場で飼育しているサフォーク種(顔の黒い羊)で、当日のタルタルはポゲット(生後1年から2年未満のサフォークの呼称)。味にクセがなく、脂がのっていて美味。青イチゴは自家製のピクルス。#1「ベーリーA2008」の酸とピクルスの酸が良く合い、口中を洗い流してくれる印象

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3)信州産:鹿肉のエスポワール自家製サラミ 信州リンゴの香り
鹿肉を燻した自家製サラミ(冷薫・寒風干)に信州リンゴジャムを添えて。#2「樽熟成 ベーリーA2005」との相性はワインの樽の風味と鹿肉の燻した風味とのバランス良し

村井知事は「長野では鹿が増えすぎてしまい対策に苦慮していたのですが、自然のお恵みなので何とか方法はないものかと考え、今ではそれを“ジビエ”として料理に使っています。もともと諏訪神社では“鹿食免(かじきめん)”というものがあり、獣肉を食べてもけがれにならないとされていました。また、昔から鹿肉は栄養食品として重宝がられていました」と語っていましたが、負を優に転換させてしまう知恵、お見事です!

4)諏訪市産:ザリガニのバニラマリネとシナノユキマスのシャルドネマリネ クレソンのソース
諏訪湖につながる用水路で育ったザリガニで伊勢海老のような上品な風味。長野ブランドのシナノユキマス(50年代チェコから輸入し独自に開発。淡白な味わいが特徴。成長まで時間がかかる食材)をシャルドネとレモンでマリネ。シャルドネを使ったソースとワインとの相乗効果あり

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5)野尻湖産:天然ウナギと夏キノコのソテー
野尻湖は水質が奇麗なので、ウナギが育つのに時間がかかるそうで、当日のウナギは10年もの。たくさん食べても脂が軽いのでもたれないのが特徴。キノコは香茸、ヤマドリタケモドキ、ヤマドリタケ、アカヤマドリ、ハナビラダケ。#5「信州メルロ2006」で合わせるより、#4「シャルドネ2007」で合わせた方がウナギの余韻がよりふくよか

6)東御市産:白土馬鈴薯と信州黄金シャモのコンソメスープ
長野ブランドの鶏、黄金シャモのコンソメと白土馬鈴薯のホクホクした甘い食感がともに得も言われぬ味わい、とても美味!

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7)佐久市産:信州サーモンと南信州ガブリエルのムース
ガブリエールは甘いタイプのパプリカで、“ガブリ”と食べることができるので命名された由。信州サーモンは卵を持たない分、旨みが身に凝縮しているので、若干温度が上がった#4「シャルドネ2007」の複雑味と良く合う

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8)千曲市産:ハーコットのコンポート
甘みがあり、酸味がソフト。生でも食べやすいアプリコット

9)塩尻市産:黒毛和牛のロティー
凝縮感のある和牛のハラミ。ソースは赤ワインを使って牛のほほ肉を煮込んだ汁と鹿肉を煮込んだ汁の2種をブレンド。付け合せのコールラビ、塩とトリュフのオイルで味付けしたヤングコーンも美味。#6「桔梗ケ原メルロ2002」のジューシーさとスパイシーさがハラミと絶妙なる相性

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10)フロマージュ
ブリー(開田村)、青カビの黒タンタイプ(大鹿村)、ヤギのフレッシュ(白馬村)

11)野菜のパフェ
野菜の甘みを表現した驚きのパフェ。ほうれん草のムース、ビーツのアイスクリーム、レタスのアイスクリーム、エストラゴンのアイスクリーム、パースニックのプリン、獅子唐のパルフェ、乾燥野菜はビーツ、人参、ズッキーニ

今回は藤木シェフの解説から、1つずつの食材に対する愛着がビンビン伝わってくるだけに、まとめるのに結構苦労しました~、ふぅ~

最後はグラス関連のリポートで〆ます!
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1)のトマト と2) のタルタルに合わせたのは#1「マスカット・ベーリーA2008」だったのですが、最初は右のフルートグラスを使って7℃前後でワインを味わい、その後、左のグラスで常温の状態でいただきました。グラス違い&温度違いを体験したわけですが、ベーリーAの酸はフルートグラスだと舌先、口中奥、舌の側面という順に流れ込んでくるので酸味がソフトに感じられ、また、供出温度も10度以下だと爽快感が強調されるので、高感度もアップ。同じワインでもグラスの形状&供出温度によって大きく違ってくるので、これも大事なポイントです!
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happy-san

fumiko先生

こんにちは。

藤木シェフのジビエのお話を
軽井沢で開かれた<生き物文化誌学会>で
伺ったことがあります。
とても真面目で熱心なシェフでいらして、
私もいつか、
このオーベルジュに行きたいと思っておりました。

素敵な休日過ごされましたね!


happy-san
by happy-san (2009-08-03 13:57) 

Wino

このワインと地物食材!
長野で暮らしたいです~!!!
by Wino (2009-08-03 21:35) 

fumiko

happy-san,

長野通、軽井沢通のhappy-sanなので、
「もしかしてご存知なのでは」と思っておりましたが・・・やはり!

>とても真面目で熱心なシェフでいらして、
同感です! “食材”の解説にも熱が入っていました。
藤木ワールドが堪能できるエスポワールは訪問価値十分です、ぜひ!


Winoさん
>このワインと地物食材!
>長野で暮らしたいです~!!!
そう思いますよね。
アップした画像以外にも、蕎麦&ドライトマトなどのパンや糖度80%以上の日本蜂蜜などもあり、まさに“食の宝庫”。
原産地呼称管理制度認定のリーダー県、長野はひとあじ違う印象です。






by fumiko (2009-08-04 00:30) 

名古屋のE

青木冨美子様
私も8月末に渡辺直樹栽培技師長とこちら様に訪問予定です。
拝見してますます訪問が楽しみになりました。
またご報告します。
by 名古屋のE (2009-08-06 09:43) 

fumiko

名古屋のE様って、もしや・・・名古屋の名士様では!
お久しぶりです♪
拙ブログのチェック、ありがとうございます。

私もエスポワールで、渡辺直樹技師長、青木一郎塩尻ワイナリー所長から丁寧な説明を受けました。

E様、信州ワイン&エスポワールのお料理、ご堪能なさいませ~!!
by fumiko (2009-08-06 12:48) 

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