SSブログ

第2部の『Non Solo Vino』は桐島洋子先生の世界で [Non Solo Vino]

第2部
第2部の開始です。階を移して、桐島洋子先生の講和の時間となりました。
ここで15分だけ時間を頂戴して、皆様にブラインドテイスティングに挑戦していただきました。


ブラインドワインのコメンテーターは、剣持春夫、渡辺正澄、小林史高の各先生

IMG_6013第2部 コピー1.JPG
IMG_6003第2部 コピー3.JPG
渡辺先生の珍回答に、会場はまたしても寄席状態。先生のキャラは参加者に大受けでした!

さて、秘密のワインは、
(1)桐島洋子先生に関係するもの
(2)フィンガーフード(キャベツとタンドリーチキンのタルトレット)
がヒントだったのですが・・・

IMG_6020第2部料理1.JPG


Photo by happy-san

実は今回の2種のフィンガーフードを選択するまでには、隠れた苦労がありました。
松本楼のシェフが画像にあるだけのサンプルを作ってくださったのです。
第2部のサプライズ企画に合わせ、小坂室長はじめスタッフの面々が、ブラインドのワインを試飲して、一番相性の良い2種類を考えてくださいました。ここまでやってくださるレストラン、普通ありませんよ!!  ホント、感謝、感謝です。

IMG_5996E38396E383A9E382A4E383B3E38389E383AFE382A4E383B320E382B0E383A9E382B9[1].jpg

供出したスパークリングワイン(ぶどう品種:サルタナ60%、シュナン・ブラン40%)の原産国は、
桐島先生の講和に関係するインド

私が『スラ・ヴィンヤーズ』を知ったのは今年3月です。シャトー・メルシャン『甲州きいろ香』の名付け親である故富永俊敬博士から「インドに素晴らしいソーヴィニヨン・ブランがあるよ」と教えていただいたことがキッカケでした。試飲したSBは綺麗な酸が特徴のピュアなワインでした。著名なワインジャーナリスト、ジャンシス・ロビンソンとヒュー・ジョンソンの『ワールド・アトラス第6版』の「アジアのその他の国」の項にもラベルとともに同ワイナリーは紹介されています。
先生のお話に登場する『四住期』は古代インド思想に由来するものです。そこで、第2部のサプライズ企画では同国のスパークリングを味わっていただき、桐島先生に繋いでいきたいと考えていました。皆様のご感想はいかがでしたか?
ちなみにこのスパークリングはエスニック料理と良く合いますよ。

ここからお待ちかね、桐島先生のお話です。


“四住期”では、人生を学生期(学びの時期・春)、家住期(働き盛りの時期・夏)、林住期(豊かな実りを楽しむ時期・秋)、遊行期(“巡礼”の意味がある時期・冬)の4つにわけて考えるそうです。桐島先生は50歳で林住期宣言をして以降、力を抜いた生き方を楽しんでいらっしゃいます。2008年からは中目黒で寺子屋『森羅塾』を開講、後進に向けて貴重な発信をしています。今回のNon Solo Vinoでは、桐島流人生の処し方、愉しみ方に触れながら、人生の素敵なヒントをたくさんいただきました。


photo by Shizuka

まさに立て板に水状態の先生! 講和に共感する女性達からは「きゃ~、ステキ!」などという叫び声も。経験豊かな内容のお話が次々に展開されていきましたが、中でも印象に残ったのは・・・

エイジング、熟成が意味するもの
先生は骨董が趣味。「古いものにはそれなりのオーラがあります」と語っていました。さらに、「ワインでもお酢でも、チーズでもハムでも、ヴァイオリンでも熟成、エイジングを深めていくことで味わいが出てきます。私は最初から綺麗な品を持つ主義なのですが、そういうものたちは恵まれた環境の中で大事にされてきたものなので、何十年、何百年という年月に、いろいろな人々から受けてきた愛情、感嘆のまなざし、宴の輝きなどが透明の層になって幾重にも折り重なっているように感じます。私は骨董は物ではなく、“時間の結晶”だと思っているので、次の時代にお渡ししていくもの。今はお預かりしているという気持ちでいます。古いことは決して悪いことでなく、価値のあることなのです」と。

ランプ.jpg
心を癒すような温かなひかりのランプと桐島先生のヴィンテージワイン

四住期との出会い
50歳になる直前(21年前)、長男ローランドさんの高校卒業で3人の子育てから解放された先生は、最後のファミリー大旅行に出かけます。いつもは貧乏旅行ばかりだったらしいのですが、ケチ呼ばわりされたままで母親業を終えるのは悔しいので、最後だけはかっこよく決めてやろうと思ったとか。それで2ヶ月かけて世界を一周するのですが、この時だけは行く先々で、一流ホテルに泊まり、一流レストランで食べ歩いたそうです。

桐島先生の低い声が、一段と素晴らしく説得力あるパワーで迫ってきたのが、次の言葉を語っていた時でした。
「いいでしょ、これが大人の優雅と言うものなのよ。良く見ておきなさい。これはあなたたちの人生の最初で最後の親がかりの贅沢というものよ。もしあなたたちが、このホテルにもう1度泊まりたいと思ったら、このレストランでもう1度食べたいと思ったら、今度は自分で稼いで、自分のお金でいらっしゃいと言い渡し、思う存分贅沢をして、NYで皆とさばさばと別れました」

これって、あまりにかっこよすぎ! 最高のものを味わい、体験することは、感性が磨かれるし、真偽を見抜く力もつきます。贅沢すぎる話に、私は聞き惚れました。
この世界一周旅行のスタート地点が香港、2番目の訪問国がインドでした。そこで出会ったインド人のご夫妻から、先生は林住期の話を聞かされます。先生と『四住期』の出会いです。

ほかにも、「人目のシャワーですべてが磨かれる」、「公(おおやけ)世界と私(わたくし)世界を行ったり来たりする複眼人間になれ」、「竹に節目があるように、人生にも節目があるほうが美しい」など、印象的なフレーズがたくさん出てきました。これからも頭の中で反復しながら、自分の生き方に反映させてみたいと思っています。

桐島ファミリーはミャンマーと関係が深く、現在、長女のかれんさんは同国に学校を作り、頑張っています。今年、ミャンマーはサイクロンで大きな被害を受けました。復興にも時間がかかっているようです。Non Solo Vinoでは余剰分68,837円をミャンマー復興の寄付金として桐島先生に贈呈させていただきました。松本楼様、ご参加の皆様の力強い応援のおかげです。

第7回Salone『Non Solo Vino』終了後、皆様から、メールやお電話で、嬉しいお言葉をたくさん頂戴しました。桐島先生への賛辞、剣持&渡辺両巨頭の気取りのない人柄への賛辞、お料理やワインへの賛辞など。
happy-san的表現で叫ぶなら、みなさ~ん、愛してる~! 本当にありがとうございました!!
nice!(5)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 5

コメント 8

miumiu

あのフィンガーフードを決めるのにも、こんな影のご苦労があったのですね。
すごいな~。

こだわることは素敵ですね!
by miumiu (2008-10-08 02:30) 

Kan

あのスパークリング絶対に当てさせない自信があって
先生が出されたのだと思いましたが、
やっぱり当てることができませんでした。

ただ奇をてらってのものではなく
しっかりとした味わいがあり、正直まるで知らなかった
インドのワインに驚かされました!
by Kan (2008-10-10 00:47) 

fumiko

miumiuさ~ん、こだわりの結果は・・・皆様が感じてくださった通りです。
>こだわることは素敵ですね!
そのお言葉で癒されま~す!

winoさんにも来ていただきたかったです! 今度是非!
by fumiko (2008-10-10 00:54) 

fumiko

あらら、kanさん、送信時間が00:47と00:54、微妙な差!

>あのスパークリング絶対に当てさせない自信があって
>先生が出されたのだと思いましたが、
皆様に当てて欲しかったのですが・・・
ブログで、“蓮”や“インド”を感じていただくようなイメージを入れていたのに、
洗脳不足(笑)

by fumiko (2008-10-10 01:05) 

fumiko

くらいふさんの撮影していたステキな“蓮”
蓮の香りを連想させるインド産スパークリング、なかなか良いですよ♪


by fumiko (2008-10-13 17:58) 

hako

25年x4だと半生も大分長いですね。50年で引退はちょっと欧米的な
生き方に似てると思います。日本では死ぬまでがんばり続けるのが
お手本のようです。
フィンガーフードというのですか、美味そうです。
by hako (2008-10-14 22:19) 

fumiko

hakoさん
これからの時代、死ぬまでがんばり続ける生き方より、桐島洋子先生や五木寛之氏が提唱する“四住期”の考え方のほうが、豊かな気分で過ごせますよね。私も力を抜いた生き方、したいです。
フィンガーフード、おいしいかったです!
by fumiko (2008-10-15 01:23) 

fumiko

YUTAKAさん、第2部のインド産ワイン&林住期はいかがでしたか?
by fumiko (2008-11-16 21:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0