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ドクターTの『シャトー・ブスカッセ』 [オープンカレッジ]

前回に続いてのカレッジ話です。
ボルドー編の正式タイトルは『オーダーメイドなワイン講座』、これは講座生と意見交換をしながら組み立てていく発信型の講座を意味しています。

昨年末、「ボルドーワインだけは相当飲んでいます」と語っていたドクターTから、「凝縮感は明らかに1~2級レベル」と太鼓判の赤ワインが我が家に届きました。今講座用に供出してくださったワインです。


届いたワインを見ながら、「いつ、どの回で、どのように入れるのがベストか」を熟考し、「垂直試飲の時がわかりやすい」と決断しました。

画像右から2本目、ワインはボルドーの南西、マディランでアラン・ブリュモン氏が造る『シャトー・ブスカッセ2001 ヴィエイユ・ヴィーニュ』です。ブリュモン氏は「トム・クルーズが自家用飛行機で買いにくる!」ということで話題になったワイン『シャトー・モンテス』の造り手です。『シャトー・モンテス』同様、『シャトー・ブスカッセ』も、マディランで古くから栽培されている「タナ種」を主体にしています。

講座ではブラインドで、古いヴィンテージから新しいヴィンテージの順で供出してみました。
感想は、前回のコメント欄にドクターTも書き込んでいますが、『シャトー・ブラネール・デュクリュ』の繊細さ、酸の在り方、タンニンの出方が明らかに異なっています。特に『シャトー・ブスカッセ』は、グラスの底が見えないくらい濃く、パープルの印象が鮮明。『ブラネール2003』の色調も深みがありますが、「紫色」のトーンが違っています。
カベルネ主体とタナ種主体のワインの違いを学ぶには、とても良いチャンスだったように思いました。

授業の後、有志10名ほどで寄ったビストロで、ボルドー第2級の『シャトー・ローザン・セグラ1988』を2本注文しました。悲しいかな、温度管理が悪かったようで、果実味も失せた悲しいワインに。
昨年8月の山本先生の利き酒の会で、参加なさっていた戸塚昭先生が「ワインの温度管理、保存状態の悪さ」を嘆いていましたが、そういえば、今回用意したワインはすべてエノテカ(株)から購入したもの。コルクもワインの状態もとても良く、垂直試飲成功の陰に“保存状態”あり。
その点もあわせて明記しておきたいと思いました。


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Dr.T

以前パッと1本飲んだ時は上位ボルドーに極めて似ていると感じた「シャトー・ブスカッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ2001」ですが、果実味が凝縮しているのに甘さは目立たずタンニンや酸も豊かなところはローヌや新世界よりボルドーに近いものの、今回丁寧に比較してみると香や味わいがちょっとずつ違っていた気がします(苦笑)。ただ前回飲んだ時より全体の風味が前面に出て魅力的に感じられ、適切な供出温度が後押しした気がします。
「紫色」のトーンが違っています・・・という御教示、色は濃い薄い以外も丁寧に見るべきと再認識しました。
アラン・ブリュモン氏のワイン、ヴィンテージの印象は2001>2000>2002なので、自分も探してみようという方は2001年がお勧めです。
今回のブラネール垂直試飲は各ヴィンテージのコンディションが良いことで初めて成功したわけで、青木先生に大感謝です。
バックヴィンテージはよりリスクの高い印象があり、自分ではいろいろ経験した後に新しいヴィンテージしか買わなくなりました。特にあまり待たずに美味しさが出てくるエリアやヴィンテージの中堅どころがお気に入りでこれはボルドーの本丸とは違うかも(苦笑)。
でも最近は流通側でコンディションに留意するようになったのか外れワインが少なくなってきた気がしており、もう一息かもしれません。
by Dr.T (2007-02-04 09:55) 

fumiko

ドクターT殿、『シャトー・ブスカッセ ヴィエイユ・ヴィーニュ2001』のコメント第2弾ありがとうございます♪
品種の違い、ヴィンテージの違いが、後半1時間のテイスティングの中で掴み取れた良い回でしたね。私も勉強になりました。
オーダーメイド講座の本領発揮といったところでしょうか?
ドクターTの寛大なる供出、心から感謝いたします。

私もアラン・ブリュモン氏のワインは好きです。
3月からインポ-ターが三国ワイン(株)になります。ご参考までに♪
http://www.mikuniwine.co.jp/new/news.php?id=31&type=display
by fumiko (2007-02-04 12:29) 

hako

いいですねぇ、行きつ戻りつ、比較試飲ができるというのは。
気に入った同じ物を何本か飲んで、自分のベンチマークにしてみたい
ものです。
このところ、南フランス系がなぜか多く、どれも気に入っています。
by hako (2007-02-04 23:13) 

YUTAKA

実は先日、1986 年のボルドー水平テイスティング(という名の飲み会)に参加してきました。1級~5級まで、および右岸など、13本ほどピックアップしたものです。講座とリンクをしているようでとても興味深かったです。

ブラネール・デュクリュは出ませんでしたが、かつて同シャトーが属していたベイシュベルは登場し、とても高い評価を受けていました。まだ若々しさすら感じられる果実味が豊かでなめらかなバランスのよい作品だったと思います。

実はローザン・セグラも出ましたが、これを一番にあげる人もいたくらいで、僕も実はかなり高い評価を与えました。果実味と熟成感がなんともいえず高度にバランスをしていて、エレガントで酸もタンニンもしっかりしていて力強さもありました。コンディション次第なのかもしれません。確かに2次会のものとは別物でした。

僕はもともと好きなラトゥールとコスとフィジャックをあげましたが、全体としてはオーブリオンとマルゴーに票が集まった感じです。特にオーブリオンのフィネスは素晴らしいものがありました。

1986年はよい年だけれど、作り手によって熟成度にバラつきがあり、また抜栓時間など、サーヴィスが難しいと思いました。条件が合えば、とても素晴らしい体験をさせてくれますね。これらすべては、単一の保有者から供出されたコレクションで、コンディションは最高だったと思います(酸化のニュアンスも全く感じられませんでした)。

またいずれ自分のblogに詳細を書きます。フレンチのフルコースと一緒だったのですが、15人参加で、13本を一滴残らず飲み干しました(笑)。
by YUTAKA (2007-02-05 13:21) 

fumiko

勉強熱心なYUTAKAさん
シャンパン編の時は、講座以外のプライベートな場でもシャンパン探求。
今度はボルドー探求、頑張っていますね。
ボルドー編、有意義な回にして〆たいと思っています。
宜しくお願いします♪
by fumiko (2007-02-07 01:05) 

fumiko

hakoさん、垂直試飲だと、行きつ戻りつ、という言葉が生きてきますね。
南仏のワインは“太陽たっぷり”の感があり、健康的で良いですね♪
by fumiko (2007-02-07 01:09) 

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