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第1回目はシャトー・ブラネール・デュクリュの垂直試飲から [オープンカレッジ]

今期、「入門編」と「ボルドー編」の2講座からスタートしたオープンカレッジ。昨日、ボルドー編の第1回授業を行いました♪
1998、1999、2000、2003年の4ヴィンテージの垂直試飲(同ワインでヴィンテージ違いを比較)だったのですが、用意したワインはサン・ジュリアンの『シャトー・ブラネール・デュクリュ』。
ロアルド・ダールの短編小説『味(Taste)』にも登場しているワインです。

『味』はロンドンにあるスコウフィールド家の晩餐の席で繰り広げられる当主とリチャード・プラットという美食家がワインの利き酒をするお話ですが、当主は自分の娘、美食家は家と別荘を賭けるという筋立て。短編なので読み易いので、ワインに興味のある方なら是非!

今回、ワインを選ぶにあたっては、昨年8月山本博先生からお誘いいただき参加したメドックの"第2級~第5級までの試飲体験"のデータを参考にしました。
http://blog.so-net.ne.jp/non-solo-vino/2006-08-18
http://blog.so-net.ne.jp/non-solo-vino/2006-08-13-1



山本博先生の『ワインの女王 ボルドー(早川書房刊)』をみると、シャトー・ブラネール・デュクリュに関して次のような記述があります。

「あまり名は知られてないが、サン・ジュリアンとしての典型的な良さをそなえているワイン、いわば通むきのワインなのである。(中略) このシャトーはもともとベイシュヴェルの持ち主デ・ペルノン公爵のものだったが、1666年当時、リュック家に分離して譲渡され、以来二百年もの間、同家の所有だった。ぶどう畑が今日のよう完備したのは1720年頃からで、畑の確立につとめたリュック家のルイ、すなわちルイ・デュ・リュック、別名デリュックの名前で取引されていた。同人死後、その従兄弟のグスタヴ・デュリュクの手に移った。この人が直系後継者なしに死亡した1879年以降、このシャトーは、現在のブラネール・デュクリュを名乗ることになるが、ラベルのほうはシャトー・ブラネールの名を掲げ、過去の功績を称えるため、その下にカッコ書きでDULUC-DUCRUの名が残されている。なお、ラベルの四隅の王冠はその後のふたりのオーナー、ラルソン公爵、ラトゥール伯爵を記念したものである」

ラベルだけ拡大して撮影した画像で、その記述の意味がよくわかりました。先生に感謝です。なお、2003年ヴィンテージはシャトー・ブラネール・デュクリュの表示になっているので、ここ何年かで体裁が変ったものと思われます。


さてさて、ブラインドでいただいたヴィンテージ違いのブラネール・デュクリュは・・・
今回はドクターTが供出してくださったユニークな赤ワインも仲間の入れてテイスティングだったのですが、話が長くなりそうです。続きは次回で。


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YUTAKA

垂直なんだなとは思いましたが、それぞれカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロのセパージュが微妙に違っているような気がして、まさか同じシャトーとは思いませんでした。個人的には、一番開いて飲み頃になっていた1998を選びました。

ドクターTのワインは、ボルドーの枠内で考えていたので、やられたな、というのが正直なところです。

占部シェフのお料理とのマリアージュ(仔羊のお手製の生ハムは、初体験でした!)も楽しめて、ワインのテイスティングだけでなく、忘れていた知識 ^^; とか、いろいろなことを学ぶことができました。ありがとうございました。
by YUTAKA (2007-02-01 11:44) 

Wino

あ、カレッジ始まったんですねぇ。
自分の好みに隔たって、ボルドーとか勉強しなきゃな~です。
by Wino (2007-02-01 14:47) 

Dolores

お久しぶりでございます。

サンジュリアン、好きなんですよ〜
なぜか、ブラインドで気に入るのはマルゴー地区でもなく
ポイヤック地区でもなくサンジュリアン。
ブラネール・デュクリュー、飲んでみます!
by Dolores (2007-02-01 21:10) 

Dr.T

同シャトーの垂直とは思い付きませんでした。
しかもブラネールで・・・という贅沢な驚きが用意されていると予想していなかったもので(笑)。
98・99・00は味わいのバランスが良く極めて似ていながら後に行くほど味が充実している気がしました。ただ03は試飲時にローストした樽の風味が他を圧していて(ただし極めて上質)別の作り手かと思いました。3年後は溶け込んで現在の00と似たバランスになるのでしょうか?
ボルドー風お騒がせワインは凝縮感では1~2級レベルと思いましたが、並べて比較すると香りの立ち方がやはり違う気がしました(苦笑)。
でも私くらいだとボルドーと言われて1本だけ出されれば「こういう風味もあるかな~」と思ってしまいそうです。
1級ワインを日々飲んでいる方は直ちに判別できるのでしょうが(笑)。
by Dr.T (2007-02-01 23:37) 

fumiko

YUTAKAさん、昨日の講座、お疲れ様でした。
ボルドーワインの熟成具合、ヴィンテージによるポテンシャルの具合など、何となくでも掴んでいただければ嬉しいです。

オープンカレッジの隠し玉、占部シェフの1週間かけての生ハム、お見事でしたね♪ ドクターTもワインの供出具合に満足してくださったようですよ。(笑)


日々ワイン探求に余念のないwinoさん、チェック&コメント、ありがとうございます♪
>自分の好みに隔たって、ボルドーとか勉強しなきゃな~です。
winoさんの頭文字、もしかして「M・K」ですか?


Doloresさん、久々の訪問、ありがとうございます♪
サン・ジュリアンは「優美で柔和なマルゴーと、格調高く芳香豊かなポイヤックの長所を合わせたタイプ」と表現されますよね。
上質なものに目がないDoloresさん好みなのが良くわかります。

昨日の試飲では「繊細、バランスの良さ、一貫した上品な酸味」という言葉がサン・ジュリアンにふさわしいと思いました。
2000年は他を圧倒する価格ですが(笑)、ポテンシャルも豊かです。樽の影響が抜けていない2003年には、ロースト香、ビターチョコ、コーヒーなどのニュアンスがありましたが、私は結構、この感じ好きです♪


ドクターT、書き込みありがとうございます♪
ブラネール・デュクリュ、Good!でした。保存状態も良かったようで、満足しています。
ドクター提供の●●ワイン、タナ種未体験の講座生も多かったようです。
続編をアップしたら、ご感想をお願いします。
by fumiko (2007-02-02 02:06) 

Wino

>winoさんの頭文字、もしかして「M・K」ですか?
ん~残念ながら、、、。お会いできる日を楽しみに。。
by Wino (2007-02-02 08:43) 

fumiko

winoさんは違いますか、そうですか(笑)
by fumiko (2007-02-02 18:20) 

uge

ボルドー講座1回目、ご苦労さまでした&ありがとうございました。
今回、垂直とは思いも付きませんでした。個人的な感想では、1998年はピーマンのような青臭さが残り、やや葡萄が熟していない印象、2000年はとにかくバランスのよさが際立つワイン、2003年はエッジが最も濃く明らかに若飲み、ブースカッセは色の濃さが新世界風ということで、飲みやすさの1999年を選びました。垂直だとヴィンテージの違いがわかるので、非常に面白いですねっ!次回の講座も楽しみです。
by uge (2007-02-03 21:39) 

fumiko

なーるほど。1998年に青臭い香りですか。かなり熟成していましたよね。余韻の中に上品な酸と甘味を感じさせるワインで、私は丁寧に仕込んでいるという印象を受けましたが・・・。
今、『クラスマン2004』を開いて『シャトー・ブラネール』を見ています。高い評価で、私も同意です。
ugeさんの2000年ヴィンテージ以降のコメントは、ugeさんに同意します(笑)
by fumiko (2007-02-03 23:42) 

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