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マルベックとチョコレートの組合わせ [ワイン]


その昔、フランスの某チョコレート会社の責任者が来日した時に聞いたことがあります。「私は赤ワインとチョコの相性は良いと思っているのですが、いかがですか」と。彼はすぐさま応えました。「相性は良くありません。赤ワインとチョコの組み合わせは、我々にとって苦手な梅干と赤ワインを組み合わせるようなものです」と。「へえ~、そうなんだ」

それから数年が過ぎましたが、そのように言われたにもかかわらず、私はタンニンが多い若いボルドーワインとチョコの組み合わせを結構楽しんでいました。

先日、アルゼンチンを代表するワイナリー、トラピチェ社の最高醸造責任者ダニエル・ピ氏が来日し、同国を代表するマルベックから誕生した3つの畑違いのワインのお披露目をしたのですが、この時、ピ氏は「これらのマルベックに合わせて作った特別のチョコレートがあります」とおっしゃっていました。ムムッ、やったー♪ 赤ワインとチョコを楽しんでいる国があった!

現物のチョコレートは、トラピチェ社のマーク入りの木箱に詰められた「カカオ」「シナモン」「ジャマイカペッパー」「コーヒー」の4種類で、マルベックの濃厚な味わいと絶妙な相性でした。

尊敬する渡辺正澄先生は、両者の相性について、「赤ワイン中にもポリフェノールがありますし、チョコの中にもポリフェノールがあるので、この“ポリフェノール”が両方の相性を良くしています。また、赤ワインに含まれるタンニンは、チョコの甘さを消す作用があるので、美味しく感じるのです」と教えてくださいました。なるほど、これで完璧です!

さて、7月25日にリリースしたばかりのトラピチェ社の赤ワインは『(1)トラピチェ・シングル・ヴィンヤード・マルベック・ビーニャ・ホセ・ブランコ2003』、『(2)同ビーニャ・ペドロ・ゴンザレス2003』、『(3)同ビーニャ・フェリペ・ヴィラファン2003』の3アイテムで、数年に及ぶプロジュクトの結果、100個以上のぶどう畑から、マルベックの個性を最も見事に反映する3つの畑を厳選、ピ氏と3人の栽培農家が協力して造りあげた高級ワインです。ヴィンテージ、醸造方法、熟成方法、ぶどう品種、ワインメーカーがすべて同じであるにも関わらず、ワインの味わいには各々の個性が現れています。


お披露目会場の『トラットリア・イ・プリミ虎ノ門店』のシェフが、上記3ワインに合わせて作ってくださったお肉料理は、画像左から、(1)とウズラのソテー 赤ワインエシャロットソースの組み合わせ、(2)と牛ロースのグリル 赤ワイン モスタルダソースの組み合わせ、(3)と兎モモ肉の赤ワイン煮込みの組み合わせ。
ちなみに、ここでの私のお気に入りワインは『ビーニャ・フェリペ・ヴィラファン2003』。
新樽に由来するカカオやコーヒーの風味、樽のロースト香、シナモンやペッパーのニュアンスがあるので、前述のチョコレートとも十分に楽しむことが出来ました♪

『トラピチェ・マルベック・シングルヴィンヤード』についてのお問い合わせはメルシャン株式会社お客様相談室(03-3231-3961)まで


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コメント 4

ワイナリー和泉屋

先生、これってトラピチェの標高の違う畑から作ったマルベックでつくったワインですよね。たしか、標高は1038メートル、1023メートル、980メートルでしたよね。トラピチェじゃないのですが、私もアルゼンチンのカテナ・サパータのジェフ・マウスバック氏から5つの標高の違う畑のマルベックのテイスティングとその5つの葡萄をブレンドしたワインの6アイテムを飲む会に以前参加しました。
http://blog.so-net.ne.jp/wizumiya/2006-06-03
基本的にこの標高の違うシングル・ヴィンヤードは非売品ですが、なぜか私のワイン庫にはこの6本入りの木箱が10セットあります・笑。

標高の違うマルベックを飲むのってアルゼンチンで流行っているのですか?
by ワイナリー和泉屋 (2006-08-03 16:53) 

fumiko

素晴らしい、さすが新井社長。その通りです。
標高の高い順に『ペドロ・ゴンザレス/平均樹齢7年』、『フェリペ・ヴィラファン/平均樹齢50年』、『ホセ・ブランコ/平均樹齢8年』になりますね。
>基本的にこの標高の違うシングル・ヴィンヤードは非売品ですが、なぜか私>のワイン庫にはこの6本入りの木箱が10セットあります・笑。
非売品が10セットもお手元に! これは売れますね(笑)。

先日の会見ではシングルヴィンヤードである3つの厳選された畑の個性、ピ氏と3人の栽培者が力を合わせて造りあげたワインであることを強調していました。

>標高の違うマルベックを飲むのってアルゼンチンで流行っているのですか?
流行りかどうかはわかりません。調べてみましょうか。
アルゼンチンやチリ、オーストラリアなどでは標高の高い、涼しいエリアにぶどう畑をつくる動きが出ていますが、これなどは地球温暖化の影響が出ているからだと思います。
by fumiko (2006-08-04 01:15) 

hako

記事も凄いけど、お二人のコメント欄が、トリビアの領域に入ってますね。
面白すぎます、いいことを教えていただきました。
ワインもチョコもチャンスがあれば探してみたいと思います。
by hako (2006-08-10 07:58) 

fumiko

チャンスがあれば、(タンニンが多い)赤ワインとチョコ、ついでに「塩辛」も! 
http://blog.so-net.ne.jp/non-solo-vino/2006-01-30-2
なかなかユニークな体験ができると思いますよ。
by fumiko (2006-08-10 18:37) 

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