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大きいボトルでの熟成のメリット [醸造家安蔵光弘さんへの質問箱]

Chラトゥールの1985(6L)、1970(5L)、1990(3L)ボトル

エノテカさん主催のワインセミナーがありました。講師はシャトー・ラトゥールのフレデリック・アンジェラ社長。当日はポイヤック・ド・シャトー・ラトゥール2003からスタートして、レ・フォール・ド・ラトゥール2003、2000、1996とシャトー・ラトゥール2002、2001、1999、1995の8アイテムを試飲しました。グラン・ヴァンに使われる「ランクロ=ラトゥールの中核となる畑」の特質等についての詳細な説明もあり、非常に興味深い内容でした。

さらに・・・会場でひときわ目を引いていたのがボルドー地方の3Lのドゥブル・マグマム、5Lのジェロボアム、6Lのアンペリアルのボトルたち!!
レギュラーサイズは750mlなので、容量の多さがおわかりになると思います。

そこで今回、「大きいボトルでの熟成のメリット」について、尊敬するメルシャン勝沼ワイナリーの安蔵光弘ワインメーカーに伺ってみることにしました。

安蔵さんは次のような回答をくださいました。
ワインの熟成に絡むファクターは、
1.熟成はワインの成分と酸素の反応の結果。
2.温度が高ければ早く熟成し、低ければゆっくりと熟成する。
3.保管場所は適度な湿度があり、温度変化が少ない場所が最適。

「大きなボトルで熟成すると、どういう違うがあるのか?」に関しては、①、②のように言われているようです。
①小さいボトルに比べて、大きなボトルの方が、相対的にボトルネックのところの空気が少ない
(750mlのボトルでも3Lでも空寸はほとんど同じ)。そのため、ゆっくり熟成する。
では大きいボトルほど良いかというと、
②重量的に扱いにくい点もあり、大きな容量と言う意味ではマグナムサイズ(1.5L)の大きさのバランスが好ましい。

安蔵ワインメーカーの私見として、
③容量が大きいボトルほど、温度の変化が少ない(液量が多いため)。
例)3Lのボトルは375mlと比べて約10倍の容量があるため、セラーの温度変化をゆっくりと吸収する。⇒液量が多いほど温まる(or冷める)のに時間がかかる。

「実際、ワインを造っていて、ハーフボトルに詰めたものは、同じワインのフルボトルのものに比べて、熟成が早いように感じます」とのメッセージをくださいましたが、なるほど!
同じワインでも、保管場所に余裕があるなら、大きいボトルでストックするほうが良い訳ですね。
今回も勉強になりました、ありがとうございました♪


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D

はー、勉強になります。。。
先日パイパーのミニボトルを飲んだとき、あれ?いつもと感じが違う!と思ったのもそのせいかもしれません。泡の感じ、味の複雑味、穏やかというか寂しい気がしました。確かにボトルが小さいほど空気の接触率は高いですものね。
ヴィノ・ロックとコルクだったら・・・という時にもそんな空気の話をしていたことを思い出しました。

では今度、ハーフサイズと通常サイズ、そしてマグナムサイズの比較試飲をしなくてはいけませんね~♪
もちろん、Chラトゥールで、とは言いませ~ん!(笑)
by (2006-05-17 22:04) 

fumiko

新設カテゴリー〔醸造家安蔵光弘さんへの質問箱〕で醸造に関する疑問をクリアして行きたいなぁ、と思っている私です。
シャンパンのQuart(キャール/188ml)は開けるのが簡単で、扱いやすいのですが、泡立ちは寂しいですよね。
NVのシャンパンで750mlとMagnum(マグナム/1500ml)を飲み比べたことがありますが、マグマムのほうが若々しい印象でした。
>では今度、ハーフサイズと通常サイズ、そしてマグナムサイズの比較試飲をしなくてはいけませんね~♪
ハハハ、ラトゥールと言われても無理ですが、NVのシャンパンのサイズ違いの比較は魅力ですね。
by fumiko (2006-05-18 19:30) 

uge

壮観ですねえ。ラトゥール。一生かかってもこれだけ飲めないでしょう(嘆)。

若干、筋違いの質問なのですが、コルクのキャップシールはどういう役割なのか、かねがね疑問に思っております。モンダヴィのようにトップにシールを貼ってあるだけのものもあるし、カリフォルニアには蝋で密封したものもあります。熟成に与える影響ってあるのでしょうか?
by uge (2006-05-18 22:37) 

fumiko

ホント、ホント、一生かかってもこれだけ飲めないでしょうね。
早速、質問ですか?
熟成に与える影響、伺ってみましょうね。
by fumiko (2006-05-18 23:32) 

fumiko

uge-san,安蔵ワインメーカーから回答をいただきました!
キャップシールは、ワインの密閉度には貢献していませんが、二つの意味があると思います。
①装飾の意味合い(若飲みのワインをコルク仕様にするのも同様だと思います)
②ビン詰めした生産者の”封印”の意味→3年ほど前、高級なワインの偽物のニュースがありました。シャトーオリジナルのキャップシールがしっかりとかぶせられているものは、「詰め替えされていない」、というニュアンスを持つと思います。
実際には①の意味合いが強いと思います。
・・・だそうです♪
by fumiko (2006-05-19 10:03) 

uge

ご回答ありがとうございます!
でも、意外にキャップシールの果たす役割は本質的なものではないんですね~。蝋密閉はさすがに酸化防止なのかと思っていたのですが、あまり意味がないなら避けて欲しいところです。開けにくいんです。これが。
そういえば、キャップシールの効用として、くるくる回るかどうかで状態の良し悪し(吹きこぼれ等)をみるというのがありました。これも俗説なのですかね?
by uge (2006-05-20 03:05) 

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